【全粒粉】ぜんりゅうふん

 栄養価の高い小麦粉として、今注目されているのが全粒粉。食物繊維やビタミンが豊富で、ヘルシー志向の女性から人気を集めています。
「小麦粉と全粒粉の違いは、お米で言う精白米と玄米と同じ。薄力粉、中力粉、強力粉と分類されている普通の小麦粉は、小麦の表皮や胚芽を取り除いて粉にします。真っ白で食感がやわらかいのが特徴。一方、全粒粉は小麦をそのまま挽くため、胚乳や表皮、胚芽もすべて粉になります。その分、栄養があり、歯ごたえもでるんです。色は茶褐色になります」(大森正司先生)
 小麦は、精白すると表皮や胚芽に含まれるビタミン・ミネラル類や食物繊維、ポリフェノール類は棄てられてしまいます。でも全粒粉なら、小麦を丸ごと挽いているので、栄養分や機能性成分をすべて摂取可能。ちなみに、全粒粉もマクロビオティックで使われる、ホールフードのひとつです。

ビタミンB1は3倍!食物繊維は4倍!

 では実際、普通の小麦粉と全粒粉では、栄養価がどのくらい違うのでしょうか?
「食べたものをエネルギーにして燃焼するのを助けるビタミンB1は、小麦粉に比べて3倍。抗酸化作用のあるビタミンEは、4倍。脂質の代謝をサポートするビタミンB6は、5倍近くあります。ミネラルでは、塩分の排出を助けるカリウムが約3倍、貧血予防の鉄が5倍、粘膜や免疫力の機能に必須の亜鉛は3倍です」(大森先生)
 小麦に含まれているビタミン・ミネラルは、小麦粉より全粒粉の方がはるかに上回っていることがわかります。
 なかでも、特に注目したいのが食物繊維。便秘解消など、腸内環境を整える効果がありますが、現代の欧米化した食生活では不足気味です。
「小麦粉100gあたりの食物繊維は、2.5gですが、全粒粉100gでは11.2g。なんと、約4.5倍も含まれているんです。ちなみに、食物繊維の代名詞のようにいわれるゴボウは、5.7gなので、全粒粉にはいかにたくさん入っているかわかります。食物繊維は、成人女性で1日17~18gが必要です。全粒粉なら、100g食べれば、1日の必要量の2/3は摂取できてしまうのです」(大森先生)
 食物繊維が多いぶん、カロリーは小麦粉より10%低いのも女性にうれしいポイントです。

健康を促進する低GI食品

 なんと、栄養たっぷりな全粒粉は、健康的なダイエット食品でもあるんです。
「“低GIダイエット”を知っている方も多いのではないでしょうか? 血糖値を上げないことで肥満を予防する方法ですが、これに最適なのが全粒粉です。炭水化物は、体内でブドウ糖になって血中に溶け込みます。その血中のブドウ糖量が血糖値です。この血糖はエネルギーとして利用されますが急激に増えると余ってしまいます。余分な血糖は中性脂肪に形を変えて脂肪細胞に蓄えられます。つまり、太ることに」(大森先生)
 そこで血糖値を上げにくい食事をすれば肥満が防げます。血糖値の上がりやすさの目安を“GI値”といいます。GI値が低いほど血糖値は上がりにくくなるので、ダイエットには低GI値の食品を選べばいいのです(上の表を参照)。
「全粒粉は玄米などと並んで低GI食品のトップグループ。食パンは91、精白米は84なのに対して、50です」(大森先生)  その上、全粒粉は食物繊維が豊富ですから、腸内環境を整えるとともに便量を増やして便秘を予防するので、美肌効果も。腸内の発がん物質を絡めとって体外へ排出させることから、大腸ガンの予防になることも期待できます。
「また、全粒粉は、抗酸化作用のあるビタミンEや多種多様なポリフェノールが含まれていて、動脈硬化や高血圧を予防します。健康にもいいダイエット食品なのです」(大森先生)
 全粒粉を使った食品はパン、パスタ、うどん、ラーメン、お菓子など用途が広がっています。積極的に食べて健康なスリムボティをキープしましょう。

お話を伺った先生/大森正司先生
農学博士。大妻女子大学家政学部・第3食品学研究室教授。日常の食生活全般にわたる食品の科学的研究が専門分野。ダイエット関連の本の監修のほか、食育や茶の普及活動にも力を入れている。

左:食物繊維が豊富な全粒粉小麦粉を使って焼き上げたウエハースを使用。全粒粉の香ばしさと、サクサクとした食感が特徴。小腹がすいたときにぴったり。インターネットでしか買えない人気の限定商品です。「ネスレ キットカット 全粒粉」¥105/ネスレeショップ

右:オーガニック小麦だけを扱う昔ながらの水車小屋の石臼でゆっくり製粉した高品質のパスタ。「全粒粉スパゲティー」500g ¥430/ラ・テラ・エ・イル・チェロ、ジャパン