【ビフィズス菌BB536】びふぃずすきんびーびーごひゃくさんじゅうろく

 ビフィズス菌とは、人や動物の腸内に多く棲む腸内細菌の一種。糖を分解して、酢酸や乳酸を作り出す働きがあります。
 乳酸菌の一種と間違われがちですが、実は別の腸内細菌です。乳酸菌は腸内でビフィズス菌と比べて圧倒的に数が少なく、働き方も違うのです。
 腸内にたくさんあるビフィズス菌には、様々な種類があり、腸内の環境を整える善玉菌として働いています。
 その一つ、「ビフィズス菌BB536」の健康効果が今、注目されています。この菌、実は赤ちゃんのお腹から発見されたもの。ヨーグルトの菌の多くは生きて腸まで届かないものが多いのですが、このBB536は胃酸や胆汁に強く、生きたまま大腸に届くという特性があります。
「現在、日本人女性のがんによる死亡で、一番多いのは大腸がん。食生活の欧米化から年々日本人の罹患率が高まっており、今後は男女合わせて1位になると予測されています。この『ビフィズス菌BB536』は、腸内で毒素を作り出し大腸がんを引き起こすとされる悪玉菌『ETBF菌』を抑制する作用があることが明らかになりました」(辨野義己先生)
 悪玉菌「ETBF菌」が、大腸がんの原因になることは、ここ最近の研究で明らかになったこと。この菌は腸内に炎症を引き起こし、下痢などの症状をもたらします。実験の結果では、悪玉菌「ETBF菌」に感染したマウスは、大腸に炎症と“がんの芽”となる腫瘍ができました。
「大腸がん患者の37.5%が悪玉菌『ETBF菌』の保有者で、健常者の保有率は12.5%という報告があります。この菌が腸内にあると、自覚症状がなくても低レベルの炎症が発生して、それが時間をかけて細胞のがん化を促すと考えられています。ただ、この菌を持っていても、腸内環境のバランスがいい人は善玉菌によって活動が抑えられるようですね」(辨野先生)

腸内環境を改善し大腸がんを予防

 辨野先生も参加した臨床試験では、ビフィズス菌BB536を含むヨーグルトに、大腸がんの要因となる悪玉菌「ETBF菌」を撃退する作用があることが証明されました。
「悪玉菌『ETBF菌』の保有者32人の半数に『ビフィズス菌BB536』を含むヨーグルト80gを1日2回、もう半数に牛乳200mlを、約2カ月摂ってもらいました。その結果、『ビフィズス菌BB536』入りヨーグルトを摂ったグループは悪玉の『ETBF菌』が減り、牛乳を摂ったグループには変化がありませんでした。ただ、BB536を摂るのをやめると『ETBF菌』が増えるので、腸内環境の改善には摂り続ける必要があります」(辨野先生)
 調査によると、日本人の悪玉菌「ETBF菌」保有率は1割程度。1000万人以上のお腹に、大腸がんの危険性のある菌がいるのです。しかも、今後は保有者が増えていくと考えられます。
「便秘の女性は多いですが、便秘をしている腸内でも『ETBF菌』が増えたり、活性化しやすくなる。その結果、大腸がんの引き金になる可能性があるので、要注意です」(辨野先生)

花粉症を軽減しインフルエンザも予防

 さらに、「ビフィズス菌BB536」には、腸内のビフィズス菌全体の働きを活性化させることで、腸内環境を整える効果も期待できます。
「腸内環境が良くなると免疫力が高まり、インフルエンザの予防や、花粉症などのアレルギー症状を改善する効果があることがわかっています」(辨野先生)
 辨野先生が「ビフィズス菌BB536」を摂るのにおすすめするのは、続けやすく食べやすいヨーグルト。
「科学的な裏付けのあるトクホ(特定保健用食品)マークがついていて、『ビフィズス菌BB536』を含むものを選びましょう。1日250g以上食べるのが理想ですが、量よりも続けることが大切です」(辨野先生)
 もちろん動物性脂肪を控えて野菜をたくさん摂る、運動するなど基本のからだにいいことも忘れずに。その上でヨーグルトを取り入れた健康生活を心がけましょう!

お話を伺った先生/辨野義己(べんの よしみ)先生。農学博士。理化学研究所・辨野特別研究室特別招聘研究員。腸内環境学を専門とし、腸内環境と健康をわかりやすく解説。『ビフィズス菌パワーで改善する花粉症』(講談社1,365)など著書多数。

「ビフィズス菌ヨーグルト」の発祥の地は日本!
実はビフィズス菌のヨーグルトは日本生まれ。ブルガリアなど欧米で昔から食べられているヨーグルトは乳酸菌で作ります。腸内環境をより良くするためビフィズス菌の製品化が考えられ、森永乳業が1971年に日本で初めてのドリンクヨーグルトを発売しました。