【クリルオイル】くりるおいる

「クリル」は英語で、動物プランクトンの一種・オキアミ類のこと。形がエビに似ており、海釣りのとき撒くエサとしても一般的です。  世界中の海に分布していますが、水質がキレイな南極海に生息している南極オキアミは、5~6cmと大型。生息数も多く、クジラやアザラシの主要なエサにもなっています。 「クリルオイル」はこの南極オキアミから抽出した脂質成分。 「クリルオイルには、EPAやDHAといったオメガ3脂肪酸、抗酸化成分であるアスタキサンチン、食物繊維の一種のキチン類などが豊富に含まれているんです」(古賀良彦先生)

 中でも効能が注目されているのは、EPAとDHAです。 「人間は、オメガ3脂肪酸を体内ではほとんど作れないので、食事で補う必要があります。さまざまな健康効果があり、血液サラサラや血流改善、中性脂肪や悪玉コレステロールを減らす、記憶力の向上といった作用で人気ですね」(古賀先生)  EPAとDHAは青魚にも含まれていますが、クリルオイルとは構造が少し異なるそう。 「青魚は、摂ると体脂肪として蓄積され、エネルギー源になります。一方、クリルオイルのEPAとDHAは、水溶性で細胞膜に近い構造なので、体内に吸収されやすい、というのが大きな特徴です」(古賀先生)

実験では脳機能の若返り効果が!

 古賀先生は、クリルオイルと、青魚から抽出した魚油に関する臨床試験を行い、その違いを明らかにしました。 「健康な男性を、クリルオイルとイワシオイルを摂取する2つのグループに分け、1日2g、12週間摂取してもらいました。その後、計算能力と記憶力を調べる実験で、脳の血流量を測定し、比較しました」(古賀先生)  脳の働きが活発になると、酸素などのエネルギー源が必要になるため、脳内の血液の量が増えることに。 「その結果、クリルオイルを摂取したグループのほうが、より脳の血流量が増加しました。記憶能力を調べる実験でも、クリルオイルを摂取したグループだけ、脳の血流量が増えています。また、クリルオイルを摂った人たちは情報処理速度が速くなり、脳が若返っていることがわかりました」(古賀先生)  このすごい効果は、クリルオイルのオメガ3脂肪酸のほうが、吸収されやすいためだそう。 「実は、EPAとDHAの量だけであれば、イワシオイルを摂取した人のほうが多く摂っているんです。クリルオイルが、脳で効果を発揮し、しかも効率よく作用した結果といえますね」(古賀先生)

 脳の情報処理能力は、10代がピークで加齢とともに低下していきます。 「体をコントロールしている脳の健康は、体全体の健康に関わってきます。脳を健康に保ち、毎日をイキイキと過ごすためにも、クリルオイルは役立ちます」(古賀先生)

さまざまな健康効果で欧米では注目度No.1

 日本ではクリルオイルはあまり知られていませんが、現在、北欧を中心に欧米では、大きな注目が集まっています。  人間での臨床試験が次々と行われており、肥満の改善やリウマチなど関節炎の改善、PMS(月経前症候群)の改善といった効果が報告されています。 「動脈硬化の一因となる高脂血症では、薬にもなっています。トラブル知らずの若々しい頭と体をキープするためには、40代のうちから摂り続けるのがオススメです」(古賀先生)  さまざまな健康効果が期待されるクリルオイル。新しいサプリメントとして、とり入れてみてはいかが。

左:米国のFDA認証を取得したノルウェーの企業から原料を入手し、日本で製造した、純度の高いクリルオイル。A・E・Dクリルオイル(120粒)¥8,000/グランドサン

右:オメガ3とアスタキサンチンが豊富なクリルオイル・サプリメント。アスタミクロ(60粒)¥12,600/サンデン

お話を伺った先生
古賀良彦先生
医学博士。杏林大学医学部・精神神経科学教室教授。NPO法人日本ブレインヘルス協会理事長。専門は精神生理学、脳の老化研究。著書に『いきいき脳のつくり方』(技術評論社1,659)、『熟睡する技術』(メディアファクトリー¥1,260)など。