【アーモンドミルク】あーもんどみるく

 アーモンドミルクは、くだいたアーモンドを水と混ぜ合わせて液体状にしたもの。フレーバーや甘みを足して飲みやすくしたアーモンドミルク飲料は、日本ではあまりなじみのないものでしたが、最近スーパーやコンビニでよく見かけるように。
「中東では高価な飲み物として、紀元前から王族や貴族に飲まれていました。すりつぶしたアーモンドを水や酒に混ぜたものが薬として珍重されていたんですよ」と、アーモンド研究の第一人者である慶應義塾大学医学部教授・井上浩義先生。

美肌、老化抑制の他ダイエット効果も!

 そもそもアーモンドは「奇跡のナッツ」と呼ばれるほどのヘルシーフード。アンチエイジング、美容、生活習慣病予防の他、大腸がんの予防作用もあるといわれています。
 最大の特長は、ビタミンEの豊富さ。100g中に約3mgと、その含有量はあらゆる食物の中でもトップクラスで、ビタミンEが豊富なイメージのあるかぼちゃの5倍にものぼります。
「ビタミンEは強力な抗酸化作用があり、美肌や血行促進など、若々しさを維持するためにたいへん役立つビタミンです。私は現在52歳ですが、肌年齢は30代を維持できているのは、9年間毎日アーモンドを50粒ほど食べているおかげだと思っています」(井上先生)

 アーモンドにはビタミンE以外にも、食物繊維、ミネラル、オレイン酸など体にうれしい成分がいっぱい。
「どの成分かは特定できていませんが、実験の結果から、アーモンドには体内のたんぱく質が糖化してできる老化物質AGEsを抑制する働きもあることがわかってきています。アーモンド以外の食物でこのような働きがあるものは今のところ見つかっていないんですよ」(井上先生)
 また、アーモンドはダイエットにもおすすめといいます。
「アーモンドには体内で脂肪が分解され、吸収されるのをブロックする作用や、ブドウ糖の吸収を邪魔する作用があります。アーモンド自体に脂肪が多く含まれていますが、この脂肪はオレイン酸やリノール酸といった、コレステロール値を下げたり内臓を強化するなど、太るどころか健康を維持するのに役立つ良質な脂肪酸です。ナッツは太るイメージのある人も多いと思いますが事実は逆で、アーモンドを食べるとやせるという実験データがあるんですよ。私自身、生活や食事は普段と変わらないままアーモンドを毎日食べるようにしたところ、3カ月で5キロもやせました」(井上先生)

液体のメリットは体への吸収のよさ

 そんな優れた成分を含むアーモンドですが、アーモンドミルクとして摂取すると、アーモンドをそのまま食べるより体への吸収がいいというメリットが。
「粒は硬いのでよく噛む必要がありますが、液体のアーモンドミルクなら、体への吸収が早い。栄養はアーモンドミルクになってもまったく変わらないので、小さい子供やお年寄りなど、上手に咀嚼しづらい人にもいいですね」(井上先生)
 アーモンドミルクが日本で普及し始めたのは最近ですが、アメリカでは以前からどこでも見かけるポピュラーな飲み物で、常備している家庭も多いとか。
「アメリカで流通しているアーモンドミルクはアーモンドの割合が2~3%で、イメージとしては豆乳が薄くなったようなもの。いろいろなフレーバーがあって、清涼飲料水感覚で飲まれています。牛乳アレルギーやベジタリアンの人が牛乳代わりに飲んだり、料理に使ったりもしていますね」(井上先生)

 日本では現在、飲料用や調理用が発売されていますが、飲料用は3.5%、調理用は10~12%とアーモンドの比率がアメリカより高めでコクがあります。アーモンドミルクはそのままではほとんど味がしないので、飲料用商品は甘みやコーヒーなどのフレーバーを加えて飲みやすくなっています。
 自宅で作るのも簡単! アーモンドの薄皮をはがして(はがしにくい場合は水に一晩浸す)ローストし、香ばしい風味が出たら水(アーモンド7粒に対して200ml)と一緒にミキサーに。ガーゼでこして、お好みで甘みを足せば完成です。
「アーモンドには紫外線などの刺激から肌を守り、修復する力があるので化粧品にも向いています。私も今、手作りのアーモンドミルク石鹸を試作中なんですよ」(井上先生)
 老化予防に、美肌に、ダイエット……。アーモンドを積極的に摂るようにすると、よいことがたくさん起こりそうです。

お話を伺った先生
井上浩義先生
慶應義塾大学医学部教授。医学博士、理学博士。専門は薬理学、高分子化学。アーモンドをはじめとするナッツ類研究の権威で、普段からアーモンドを食べているだけに、つやつや肌の持ち主。近書に『アーモンドを食べるだけでみるみる若返る!』(¥1,080・扶桑社)。