月経前症候群(PMS)には心のケアも必要-症状を軽くする3つのコツ

月経前の体と心におこる不快な症状がPMS(月経前症候群)

自分の症状の傾向とあらわれる時期を把握して、上手にコントロールしよう

なぜPMSがおこるの?

 PMSとはPremenstrual Syndromeの略で、月経前におこる体と心の不快な症状のこと。日本語では「月経前症候群」といいます。体温が高くなる排卵期から月経までの黄体期(約7~10日間)にみられ、毎月くり返し、月経が始まると症状が消える、または軽くなっていくのが特徴です。おなかの痛みや下痢、便秘など腹部の症状が最も多く、ささいなことでイライラしたりカッとなる、ひどく落ち込むなどの精神症状もよくみられます。

 なぜこのように、体と心の両面に、さまざまな症状がおこるのでしょうか。原因はまだ明らかではありませんが、黄体ホルモンの増減や神経伝達物質セロトニンの減少、ビタミン・ミネラルの不足などが影響していると考えられています。
 これらの要素に加え、本人の気質、職場や家庭でのストレス、環境の変化、PMSに対する知識・理解の有無なども大きく影響しています。つまりPMSは、生物学的な要素に、精神心理的、社会的な要素が複合的に加わって発症しているといってよいでしょう。

あなたのPMSはどのタイプ?

 PMSの症状は、次のように大きく3つに分けることができます。

(1)体の症状
・腹痛、頭痛、腰痛、関節痛などの痛み
・頭が重い、だるい、疲れがとれないなどの倦怠(けんたい)感
・下痢や便秘、吐き気などの消化器症状
・冷え、むくみ、肩こり、乳房の張り、不眠など

(2)精神的な症状
・カッとなる、イライラする
・無気力になる、うつになる
・涙もろくなる、不安になる
・女性でいることがいやになる
・人に会うことがいやになる など

(3)行動面の症状
・集中力がなくなる
・やつあたりしたり、暴力的になる
・無性に食べる、あるいは食べない
・失敗が多くなる、物忘れがひどくなる
・体を動かすのがおっくうになる
・性欲が増す、あるいは減少する など

 自分の症状の傾向と、症状があらわれる時期を自覚していることは大切です。そのためには、基礎体温を記録することが有効です。高温期に上記のような症状があらわれ、3カ月以上くり返したら、PMSの可能性が高いといえます。体調や感情の起伏などもよく観察して記録しましょう。いつごろ、どんな症状があらわれるのかを予測できれば、スケジュールを調整するなど前もって対策をたてることが可能になります。

症状が軽くなる暮らし方

 あなたはどんな症状が多かったですか? 体の症状が多い人は、食生活が乱れていたり、運動不足だったりすることが多いので、バランスのよい食事と適度の運動をこころがけ、体を冷やさないように気をつけましょう。

 精神的な症状が多い人は、性格が几帳面で何事も完ぺきを目指してしまいがちなタイプかも。すべて完ぺきにこなそうとせず、ときには肩の力を抜くことも大切です。リラックスタイムを十分とるようにするとよいでしょう

 行動面の症状が多い人は、忙しくてストレスがたまっていないか、スケジュールを見直してみましょう。大切なことは後回しにしたり、周囲の人にひとこと伝えて理解を求めるのもよいでしょう。

 ただし、症状の程度が重い場合は、婦人科を受診してください。治療には低用量ピルや漢方薬、精神安定剤や抗不安薬、黄体ホルモン剤、ビタミン剤などが使われ、必要に応じてカウンセリングなどが行われます。精神的症状が重い人は精神科や心療内科でもみてくれます。

 このほか、日ごろのちょっとした工夫でPMSの症状を予防したり軽くすることができます。PMSに限らず健康な生活に役立つ内容ですので、ぜひ実践してみてください。

(1)食事はバランスよく、PMSの症状を和らげる栄養素を積極的にとる
・栄養バランスよく食べる(主食、主菜、副菜をそろえる)
・一度に食べすぎず、できれば少量を数回に分けて食べる。主食は玄米、分づき米など精製しない穀類を(血糖値の急上昇や急降下をおこさない)
・良質のたんぱく質(大豆など)や良質の油脂(月見草オイルなど)をとり、塩分を減らす
・ビタミンB6、ビタミンE、カルシウム、マグネシウム、食物繊維、イソフラボンなどをとる(緑黄色野菜、大豆製品、海藻類などを多めに)
・カフェイン、砂糖、アルコールをとりすぎない

(2)適度な運動を習慣に
 適度な有酸素運動は血流を促し、筋肉の緊張をとる、むくみを解消する、高血糖・低血糖を防ぐ、ストレスを解消するなどの効果が

(3)リラックスする時間をもち、睡眠・休養を十分に
・好きな音楽やハーブティーを楽しむ
・心を鎮める効果がある腹式呼吸、ヨガ、座禅、気功などもよい
・ぬるめのお風呂にゆっくりつかり、手足をよくマッサージするとよく眠れる

【監修】
対馬 ルリ子先生


ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック院長
1984年弘前大学医学部卒業後、東京大学医学部産婦人科学教室助手、都立墨東病院周産期センター産婦人科医長などを経て、2002年にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニックを開院。医学博士、産婦人科医。専門は周産期学、生殖免疫学、ウィメンズヘルス。2003年「女性医療ネットワーク」を設立、全国の女性医師・医療者と連携し、女性の生涯にわたる健康のための情報提供、啓発活動を行う。近著に『プレ更年期からの女性ホルモン塾―ずっとキレイのエイジング』(小学館)など。
ウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック http://www.w-wellness.com/

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