ピルは避妊意外のメリットがある-ピルで体質改善や病気予防

ホルモンが作る女性のリズム。決めるのはあなた

避妊効果が高く副作用も少ないといわれるピル。 あなたはどれくらい知っていますか?

自分のことは自分で決めたい

 週刊誌やテレビで、芸能人の「できちゃった婚」のニュースをよく目にしますが、日本では避妊の失敗などによる「意図しない出産」や「望まない出産」が約40%弱もあるといわれています。問題なのは、望まない妊娠で仕事や学校を辞めざるを得なかったり、中絶したりする人が多いということです。

 そういったことを避けるためにも、日ごろから避妊について考えておきたいものです。さまざまな避妊方法の中で何を選ぶのか、人任せにせず自分で決めるのが自立した女性!そのためには、十分な情報と正しい知識が必要です。

避妊効果が高く安全といわれるピルが広がらないのはなぜ?

 1999年、アメリカから約40年遅れて低用量経口避妊薬=低用量ピル(以下ピル)が解禁され、避妊方法の幅が広がりました。でもピルについて、あなたはどれくらい知っていますか?

 ヨーロッパを中心に、ピルは一般的に使われている避妊薬ですが、日本ではコンドームの利用が約8割と圧倒的に多く、ピルを利用している人はわずかです。ピルは避妊効果が高く、副作用も少ないといわれていますが、情報の少なさからか、なんとなく不安、ホルモンを飲むことに抵抗がある、などの理由で服用をためらう人が多いようです。

 さらに、ピルの導入にあたってつくられた「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」によって、処方前にさまざまな検査が義務づけられたことも、ピルの利用が進まない原因の一つと考えられています。しかし2005年12月、日本産科婦人科学会などが同ガイドラインを改訂し、検査が大幅に簡素化されただけでなく、製薬会社などがピルの避妊以外の効用をうたってもよいことになりました。

妊娠を防ぐ3つの主な働き

 女性には約4週間で1サイクルの月経周期があり、その間に月経と排卵が1回ずつ起こります。そして、排卵のときに出てきた卵子が子宮のほうへ運ばれる途中で精子と出会えば受精卵となり、子宮内膜に着床すると妊娠が成立します。ピルは、排卵を抑える、受精卵を子宮に着床しにくくする、精子を子宮に入りにくくするという、主に3つの働きで妊娠を防ぎます。

 ピルは卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)と同じ成分を含む飲み薬で、これを飲むことで体が妊娠中に近い状態になり、排卵がストップします。また、ホルモンの働きで、精子が子宮に入りにくくなったり、受精卵が子宮内膜に着床しにくい状態になります。このように、何重にも避妊効果を高めているのです。

意外と知られていない、避妊以外のメリット

 ピルを使ってみようと思ったら、また、ほかの避妊方法と比較するためにも、ピルのメリットとデメリットをしっかり押さえておきましょう。

メリット
●正しく使用すればほぼ100%の避妊効果があり、妊娠を希望するときは飲むのをやめればよい。
●月経周期をコントロールできる。ピルを飲むと月経周期がきちんと28日周期になり、いつ月経が来るかわかるため、スケジュールが立てやすい。ピルで月経をずらすこともできるため、たとえば、月経が旅行に重ならないようすることができる。
●女性の意思で避妊ができ、自分の体は自分で守る意識が生まれる。
●その他、月経痛が軽くなる、貧血が改善される、にきびがよくなる、子宮内膜症になりにくく悪化を防ぐ、長く飲み続けると子宮体がん・卵巣がんのリスクが減る、骨粗しょう症になりにくくなる、など。

デメリット
●毎日飲まなければならず、飲み忘れると避妊効果がなくなる。
●医師の処方が必要で、保険適用にならないため費用がかかる(月に約3000円~4000円程度)。
●飲み始めの2~3カ月は吐き気や頭痛、乳房の張りなどが起こることがある。
●血栓症のリスクの高い人は飲めない。
●性感染症は防げない(コンドームとの併用が必要)。

 避妊だけでなく、健康面や月経周期の調整など女性のQOL(生活の質)をアップさせる効果が期待できるピルですが、上手に使いこなすためには正しい知識が必要です。
 次回はピルの使い方についてご紹介しましょう。

【監修】
松峯寿美氏


東峯婦人クリニック院長・医学博士
東京女子医科大学卒。 専門は婦人科一般、不妊症治療など。 日本産婦人科学会専門医、思春期学会理事、東京女子医科大学非常勤講師など兼任。『マタニティホワイトブック』(朝日出版社)『女性の医学BOOK』(永岡書店)など著書多数。
東峯婦人クリニック http://www.toho-clinic.or.jp/

コラムに関連する病名が検索できます。

その他のヘルシーウーマンコラム

この記事を見ているひとはこんな記事も見ています

生理日が変えられるピル-生理痛の緩和や避妊にも、けど副作用も

生理不順や生理痛に苦しむ女性の強い味方として、使う人も増えている「低用量ピル」。生理痛がある場合は保険適用になります。低用量ピルが生理をコントロールするメカニズムや、上手な利用の仕方についてご紹介します。 低用量ピルの成分とはたらき ... 続きを読む

ピルの基礎知識-入手方法|タバコを吸う人はピルは使えない?

低用量経口避妊薬=低用量ピル(以下ピル)は、日本ではかぜ薬などのように薬局などで買うことができません。使用には医師の処方が必要です。一般的には婦人科や産婦人科を受診して医師による問診や血圧測定を受け、問題がなければ処方してもらいます。以前... 続きを読む

低用量ピルの活用法は避妊以外にもある-副作用と注意点

低用量ピルといえば、「低用量経口避妊薬」のこと。その名のとおり、正しく服用すればほぼ100%の避妊効果が期待できるため、望まない妊娠を防ぐのに非常に有効な薬です。
しかも、低用量ピルの効果はそれだけではありません。多くの女性が悩まされ... 続きを読む

確実な避妊法とは? 間違った避妊や妊娠の知識|避妊の失敗率

女性にとって妊娠出産は大きな出来事です。望まない妊娠によって、自分の夢やライフプランの実現が難しくなることもあるでしょう。
やっと就職が決まったのに、新しいプロジェクトを立ち上げたのに、あるいは子育て卒業と思ったのに、望まない妊娠をして... 続きを読む

知ってる? 確実な避妊法-40~50代に意外に多い中絶の割合

あなたは正しい避妊法を知っていますか?
年間100万人の赤ちゃんが生まれている一方で、約20万件の中絶が行われています。中絶の絶対数は20~30歳代の女性が多いのですが、中絶の割合で見ると若者だけではなく、40~50歳代も中絶率が高くなっ... 続きを読む

女性が喜ぶ3000円以内の義理チョコのお返しランキング

クッキー チョコレート ケーキ ワイン 紅茶・ハーブティ 6位以降をみる... 続きを読む

子宮のはたらきとは? 女性ホルモンは妊娠にも病気にも関係してる?

1個の精子を受け入れた卵子(受精卵)を着床させ、出産までの長い時間、胎児を保護し育む部屋、それが子宮です。骨盤に囲まれた空間のほぼ中央、直腸と膀胱(ぼうこう)にはさまれ、左右を靭帯(じんたい)で支えられて浮かぶように位置しています。
... 続きを読む

生理周期にあわせたダイエット法

体重が減らない?
ダイエットといえば、手放せないのが体重計です。まあ、これがダイエットの指標としては最も簡単で確実にわかる方法ですね。ですが、ちょっと待ってください。体重が500g増えたとか減ったとかで毎日一喜一... 続きを読む

女性のダイエットは生理周期を活用して-痩せやすいタイミングとは?

「食べてないのに、なぜ太る?」こんな疑問を感じるのは、たいてい月経の前かもしれません。女性の体重コントロールは、月経サイクル(周期)との関係なしには語れません。その理由を知ると、ダイエットの効果も出やすくなります!
女性の体は、月経サ... 続きを読む

ジェネリック医薬品ってなに? 正しく理解して医療費を節約しよう

「ジェネリック医薬品」という言葉を、どこかで聞いたことがありませんか。テレビではたびたび、有名タレントによるコマーシャルが流されているので、「あっ、それ知ってる!」とピンとくる人も少なくないでしょう。
ジェネリック医薬品は、医師が処方... 続きを読む