美肌のコツは角質層のバリア機能の強化-乾燥しないスキンケア

真冬は肌のバリアケア強化の季節です

化粧水や美容液で水分をたっぷり補い、オイルなどでフタをする。空気の乾燥など環境にも注意して。

肌の潤いは角層のバリア機能に守られている

 寒いですね~。しかも静電気がバリバリ起こるほど空気が乾燥してきました。寒さで皮脂も出ないし、お肌はカサカサ。だから、肌の潤い補給をしなくちゃ、って思っている人も多いのでは? それも間違いではないんだけれど……。潤いを与えても与えても、「乾く」という声を多く聞きます。そして肌の潤いは外から補うものって、勘違いしている人が意外に多いようなので、今回は、肌と乾燥について、おさらいしておきましょうね。

 まず、肌の水分などの潤いはどこからやってくるのかといえば、体内からです。そもそも潤いは、化粧品で与えるものではなく、肌の内側からにじみ出てくるもの。人の体は70%が水分でできていて、どんなに乾燥肌の人でも、それらは肌へもたっぷり配られているんです。では、なぜ乾燥するのか? それは肌の一番上にある角質層(角層)にたくさんの隙間ができてしまっているからなんです。

 角層とは、外敵や刺激を体内へ侵入させないように身を守るために全身の皮膚を覆う膜のようなもので、鎧(よろい)みたいな役目をしています。それは超薄いのですが、本来はとても丈夫です。また外敵から身を守ると同時に、内側にある水分などが必要以上に奪われないようストッパーの役割もしています。なぜなら若々しい元気な皮膚細胞を生み育てるためには、水分や脂質などの潤い成分が欠かせないからです。角層のそういった役割は、一般的に「バリア機能」と呼ばれています。

目指すべきはすき間のない丈夫な角層づくり

 ところが、加齢や乾燥、紫外線、間違ったお手入れなどで刺激が加わると、角層の細胞同士の結束が乱れ、隙間ができてバリア機能が働かなくなってしまうのです。すると、その隙間から水分がどんどん蒸散してしまい、内側から潤いが補われても水分の蒸散に追いつかなくなると、乾燥してしまうんです。つまり乾燥肌=バリア力が弱いということ。必要な水分がなければ、新しく生まれてくる皮膚細胞はひ弱です。
 それだけではありません。肌表面の隙間からいろいろな刺激が内側へ侵入し、炎症を起こします。そういうことが長期間続くと、老化は一気に進んでしまうのです。「乾燥は老化の第一歩」、といわれているのは、こういう理由からです。

 だから、乾燥対策は外から潤いを与えただけでは解決しません。目指すべきなのは、隙間のない丈夫な角層づくりに尽きます。

 ではどうするか。実はとてもシンプルです。まずとりあえず、乾燥肌は水分が足りないので、化粧水や美容液などでたっぷり補います。さらにバリアの働きをするセラミドなどの脂質も足りないので、外部の刺激をシャットアウトし、内側からの水分の蒸散を防ぐために、油分の入ったクリームや乳液、オイルなどでフタをします。
 このシンプルな基本ケアを、朝と晩、とくに朝たっぷり行います。なぜなら乾燥も刺激を受けるのも、日中が多いから。朝手を抜いて、パリパリに乾燥してしまった肌は炎症を起こしやすく、夜あわててたっぷり保湿しても手遅れです。

 また、乾燥肌は刺激に弱くなっているので、低刺激のコスメを選ぶべき。炎症を抑えバリア機能を高める作用のあるクリームや美容液も登場しているので、乾燥が改善されない人は、そういったものを選んで使うことをおすすめします。

空気の乾燥、ドライヤーの熱風、熱いお湯での洗顔に注意!

 さらに、環境も大切です。空気を乾燥させないよう、加湿器や観葉植物を部屋に置きましょう。暖房器具は温風タイプほど肌から水分が奪われます。とくにシャンプー後のドライヤーは肌の水分を奪うので、顔に熱風が当たらないように注意し、保湿してから当てるとよりベター。
 よく乾燥肌は熱いお湯で洗顔してはいけないといわれるのは、余分な皮脂だけでなく肌の内側の大切な脂質まで溶け出すことがあるからです。体温と同じくらいの微温湯(37~38度)で洗ったほうがいいというのは、そういうわけなんですね。また、夜にしっかり汚れを落としているなら、朝は睡眠中の汗やほこり、前夜のスキンケアで塗ったコスメを洗い流すくらいの軽い洗顔で十分です。

 こうして、潤いをキープする力がない肌は、とりあえず外部から水分と油分を補い、細胞の環境をよくしてあげると、もう一度丈夫な細胞を作り始めます。すると、表皮細胞がすべて入れ替わる1カ月近くでバリア力が戻ってくるはずです。
 バリア機能が正常な肌は、冬場でも極端に乾くことはなくなり、適度な保湿でも潤い、それが長時間続きます。なにより、肌表面が滑らかで透明感が出て、見た目にもイキイキしてくるのがわかります。

 これからは、乾燥肌のスキンケアの狙いは「バリアを強化すること」。そう頭を切り換えて保湿してみてくださいね。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
山崎 多賀子さん


美容ジャーナリスト
化粧品メーカー、女性誌の編集者を経てフリーに。スキンケアからメイク、健康・メンタル美容まで幅広いジャンルで取材を続ける。著書に自らの乳がん体験談や乳がん患者に役立つ情報をまとめた『「キレイに治す乳がん」宣言!』(光文社)、人気連載をまとめた『山崎多賀子の極楽ビューティ体験記』(扶桑社)がある。NPO法人キャンサーリボンズ理事。NPO法人キャンサーネットジャパン認定乳がん体験者コーディネーター。

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