女性のダイエットは生理周期を活用して-痩せやすいタイミングとは?

月経後はやせやすく、月経前はやせにくい

代謝や血行がよくなる卵胞期と、血行が悪くむくみやすい黄体期。月経サイクルを知って効果的にダイエット。

2つの女性ホルモンの波が女性の体に変化をもたらす

 「食べてないのに、なぜ太る?」こんな疑問を感じるのは、たいてい月経の前かもしれません。女性の体重コントロールは、月経サイクル(周期)との関係なしには語れません。その理由を知ると、ダイエットの効果も出やすくなります!

 女性の体は、月経サイクルによってさまざまな影響を受けています。体重もその一つですが、これは体の水分量や老廃物の排泄にかかわる代謝や血行の状態が、月経を起こしている女性ホルモンの変化によって影響されるため。
 月経の前後で、体調や気分だけでなく体重も変化するというとき、その背景には体内にため込まれる水の量(水分滞留量)の変化があるというわけです。

 ダイエットをよりスムーズにすすめるためには、女性の体内にある2つの女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」のメカニズムを知っておく必要があります。

ダイエットしやすいのは、月経から2週間の卵胞期。運動して代謝を高めよう

 エストロゲンとプロゲステロン、この2つのホルモンがタイミングよく周期的に増減することで、女性の体内では月経サイクルがうまく作られ、妊娠の準備が行われます。中でも、肌や粘膜の潤いを守り、女性らしい体を作る働きをしているのはエストロゲンです。エストロゲンは血管や血流を健康に保つ働きもあるため、血液循環が促され、代謝がよくなります。

 月経が始まってから排卵まではおおむね2週間ですが、この時期を「卵胞期」といい、エストロゲンのほうが優位に働いています。そのためこの時期は代謝がよく、ダイエットは順調な効果が現れやすくなるのです。より代謝を高め、体脂肪を減らして筋力をつけるよう、エクササイズなどを活発に行っていくのにもぴったりです。

 エストロゲンはまた、脳内のセロトニンなどの神経伝達物質の分泌を促すので、精神的に安定し、睡眠もとりやすくなります。そのため、食事の摂取エネルギーを制限しているようなときも、比較的ダイエット・ストレスがたまりにくいのです。

月経前の黄体期は痩せにくい。イライラせずに体をいたわって

 一方、排卵から月経までの約2週間は「黄体期」といい、プロゲステロンの分泌量が高まります。このホルモンはそもそも子宮内に血液をため込んで妊娠を維持するためにあり、代謝や血行は停滞気味になります。
 それで全身にむくみが起きやすくなり、「食べてないのに太る」と感じるような、つらい時期になるのです。黄体期には無理に体重を減らそうとせず、「今の体重を維持する」ことだけを目標に、ゆったりと過ごしましょう。

 なお、月経前はイライラして甘いお菓子を食べたくなる時期でもありますが、そんなときには小豆や寒天を使った和菓子がおすすめ。小豆に含まれるイソフラボンは体内でエストロゲンの代わりをして代謝をよくしてくれます。また、寒天は食物繊維なので血糖値の上昇をゆるやかにして太りにくくしてくれますし、排泄を助けてくれます。

 なお、月経サイクルには個人差があり、同じ人でもそのときの心身の状態で変わることがあります。一般的にはおおむね1周期28日とされますが、25日から40日までであれば正常な月経サイクルであるといえます。
 自分の月経サイクルを知ることは、ダイエットだけでなく女性の健康にとってとても大切なこと。基礎体温をつけるなどして、一度は確認しておきましょう。
 一般的には、夕食やそれ以降は炭水化物を少なくして、夜はストレッチや軽いスクワットなどの筋トレをこまめに実行しましょう。

(編集・制作 (株)法研)

【監修】
仲 眞美子先生


女性のための統合ヘルスクリニック「イーク丸の内」院長
1981年東京医科大学大学院医学研究科内科学専攻博士課程修了。東京医科大学(血液)内科学教室助手、(財)東京都健康づくり推進センター指導科医長、(社)伊勢崎佐波医師会病院成人病検診センター長、首都大学東京OU講座非常勤講師などを経て、2006年イーク丸の内院長となり、現在に至る。日本内科学会認定内科医、日本医師会認定産業医、人間ドック健診専門医、日本医師会認定健康スポーツ医。日本網内系学会評議員、日本総合健診学会評議員。著書に『これからの健康づくり―基礎から実践までのガイドブック』など。

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