うつ病になる女性は男性の2倍-女性の一生につきまとうホルモンの変動

うつ病になる女性は男性の2倍。

性差における心の病気を理解して、メンタルヘルスの向上をはかりましょう。

心の病気にみられる男女差

 うつ病は、誰もがかかりうることから「心の風邪」と呼ばれていますが、うつ病の患者は男性より女性の方が多いといわれていることをご存知ですか?
 男性の自殺の頻度は女性の約2倍といわれていますが、WHO(世界保健機関)の報告によると、世界十数カ国のうつ病の患者は、女性が男性の2倍に上っています。また、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の発症率も男性の2倍、摂食障害の患者数も圧倒的に女性の方が多くなっています。

 このような男女差はいったいどこから生じるのでしょうか。

女性の一生は、ホルモンの変動が大きい

 うつ病などの心の病はホルモン系と強く関連しています。
 特に女性ホルモンは、月経周期をはじめ、妊娠・出産、更年期などのライフステージに応じて大きく変化します。この女性ホルモンの変動がうつ病などの心の病気の発症に関係していると考えられています。

 実際、女性の場合、性周期(月経、妊娠・出産、更年期)と一致してうつ病が悪化することが知られていますし、性周期に関連して生じる、女性ならではの心の病気があります。
 たとえば、月経前不快気分障害。これは、月経前に抑うつ気分や不安、情緒不安定、無気力が生じ、仕事や学業に悪影響が出る状態をいいます。
 この他、閉経前後の更年期にはうつ状態になったり、不安障害になったりと心の病にかかる人が増えますし、出産直後の女性に見られる産後うつ病というものもあります。

“がんばりすぎ”に気をつけよう

 女性に心の病気が多いワケは、性ホルモンの影響ばかりではありません。女性をとりまく環境も大いに影響します。
 たとえば、過重労働や仕事上のストレスが原因でうつ病などを発症する女性たち。がんばりすぎることにより、精神のバランスを崩してしまうこともあります。
 さらに、家庭を持つ女性の場合、家での家事協力が得られない、帰宅してからも育児の負担が大きいなど、自分のおかれた社会環境からのストレスも少なくありません。
 「期待されている」と思うと、誰しもはりきってしまうものですが、私達の体は機械ではありません。“がんばりすぎ”は、心身両面に負担をかけがちです。とりわけ、毎月ホルモンバランスが変化する女性の場合、自分のリミットを心得ておくことも大事です。自分の体調、心の様子と相談しながら、無理をせず仕事をしていきたいですね。

 また、女性のほうが医療機関にかかっている頻度が高いといわれています。それは女性のほうが男性よりも助けを求める行動をとりやすい傾向があるからかもしれません。
 これはとても大事なことで、男性より女性の方が適切な対処行動を行っているといえます。
 心の病はホルモンが関係していても適切な治療により改善します。
 ストレスで体調を崩したりしたときには、早めに医療機関に相談をしてみてください。

(「へるすあっぷ21」、法研より)

【監修】
渡部真弓氏


東京電力(株)神奈川支店産業医
1997年産業医科大学医学部卒。2002年より現職。
労働衛生コンサルタント、 日本産業衛生学会専門医

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