アウトドアで虫に刺されたときの対処法-蜂は二度目が危険、予防法

虫に刺されない工夫と万一のときの対処法を紹介

刺されると危険なハチ、ひどいかゆみが続くブユ。夏のアウトドアを楽しむために知っておきたい対処法

ハチに刺されたら安静にして様子をみる

 この夏、キャンプやハイキング、山登りなど、アウトドアで楽しもうと考えている人も多いことでしょう。忙しい日常から開放され、自然と触れ合うのはとても楽しいものですが、自然の中には、蚊やブユ、ハチ、ムカデ、マダニなど、人を刺す虫もたくさんいます。なかでもハチに刺されると、命にかかわることもあるので、注意が必要です。

 人を刺すのはスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチなどですが、とくに注意しなければいけないのはスズメバチとアシナガバチです。
  ハチに刺されると、症状には個人差がありますが、通常は激しい痛みを生じ、刺されたところが赤く腫(は)れあがります。刺されたらまず安静にして局部を冷やします。強烈な痛みや腫れがある場合は、一刻も早く医療機関を受診しましょう。

2回目が怖い! アナフィラキシーショック

  ハチに刺されても、普通は命に別状はありませんが、夏から秋にかけて、ハチに刺されて命を落す人が毎年のように出るのも事実。ハチに刺されたときの症状には、ハチ毒そのものによる場合と、ハチ毒に対するアレルギー反応の二つがあります。前者の場合、命にかかわるのは大量の毒が全身にまわった場合、たとえばスズメバチの大群に襲われた場合などです。

  後者のアレルギー反応は大変危険で、過去にハチに刺されたことのある人が、同じ種類のハチ1匹にでも刺されると、強烈なアレルギー反応を起こして亡くなることがあります。このアレルギー反応=全身のじんましん、呼吸困難、血圧低下や意識障害などのショック症状をアナフィラキシーショックといいます。刺された後、息苦しさや吐き気、動悸(どうき)、呼吸困難などの全身症状が現れたときは要注意! すぐに救急車を呼びましょう。

 一度ハチに刺されたことのある人は、再び刺されないようにしなければいけません。スズメバチとアシナガバチのハチ毒は成分が似ているため、初めアシナガバチに刺された人が今度はスズメバチに刺されると、アレルギー反応を起こす可能性もあることを覚えておきましょう。

 ハチに刺されないためには、ハチを刺激しないこと。巣を見つけたら近づかない、ハチが近くによってきたら手ではらったりせず、そっと逃げるのが賢明です。また、黒い服装はハチの攻撃対象になりやすいので、淡い色の服を着て白っぽい帽子をかぶりましょう。香りの強い化粧品や整髪料などは避け、ジュースなどはこまめにふたをします。万一に備え、ハチ専用の殺虫剤を持参するとよいでしょう。

刺されると腫れてひどくかゆい「ブユ」

 ハチのように命に危険はないけれど、刺されたところが真っ赤に腫れあがっていつまでもかゆい、なかには発熱する人もいて要注意なのがブユ。小型のハエのような、血を吸う虫で、地域によってブヨ、ブトとも呼ばれます。

  高原や山間部の渓流沿いに多く生息し、キャンプなどでむき出しの足を刺される人が多いようです。刺されたときはほとんどかゆみを感じませんが、半日ほどすると赤く腫れ、次第に激しいかゆみを生じます。数日は腫れとかゆみが続き、腫れた部分に熱をもつこともあります。

 熱をもっていたら冷やし、早めにかゆみ止めの軟膏をぬるとよいでしょう。かゆみがひどい場合は、ステロイド薬や抗ヒスタミン薬が必要になるので、皮膚科専門医を受診しましょう。化膿することもあるのでかきむしらないこと。

野外に行くときは長袖、長ズボンで

 ハチやブユ以外でも、虫に刺されないためには、できるだけ露出部分を減らすこと。野外に行くときはなるべく長袖、長ズボンに靴下、帽子、手袋で全身を覆いましょう。肌の露出部分には虫除けスプレーをしておくと、蚊やブユには効果があります。虫刺され用のぬり薬やガーゼ付きばんそうこうなども持参し、刺されてしまったら次の手順で処置を。

(1)ハチやムカデの場合は傷口から毒を押し出す。ポイズンリムーバーという毒を吸引する器具があるので携帯しておくと便利。
(2)傷口を流水で洗いながら冷やす。
(3)虫刺され用のぬり薬をぬる。
(4)ガーゼ付きばんそうこうで傷口を覆う。

 必要があれば医療機関を受診します。虫刺されに対処する方法を知って、夏のアウトドアを楽しんでください。

【監修】
夏秋 優 先生


兵庫医科大学皮膚科 准教授

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