健康診断で分かる病気ってなに? 毎年検診を受ける理由とは

「面倒くさい」などと言ってていいの?

受ければわかる・受けなければわからない、体のいいとこ・悪いとこ

健診はお金を払ってでも受けてほしい

 今年4月から、40~74歳のすべての人を対象に、メタボリックシンドロームを早期に発見する新しい健診(特定健診)が始まります。

 ところで、みなさんの中には「健康診断」というと、「何だか面倒くさい」とか「いまは健康だから別に受けなくてもいいよ」など、ともすれば敬遠したくなる人も少なくないでしょう。でもちょっと待ってください。健康診断、略して健診は、本当は敬遠するどころか、お金を払ってでも受けよう、という気持ちになっていただきたいくらいのものなのです。今回は、健診の必要性と健診結果が意味することを知っていただきたいと思います。

 一般的に健診というと、職場で受けられるものと市町村などが実施しているものがあります。検査項目は多少の違いはありますが、基本的には以下のようなものです。

問 診:ふだんの健康上の問題などを聞き取ります
身体計測:身長、体重、視力、聴力を測定します
血圧測定:収縮期血圧(最高血圧)、拡張期血圧(最低血圧)を測定します
血液検査:貧血の有無、肝機能、糖尿病・動脈硬化・痛風の危険性などを調べます
尿検査:糖尿病・痛風の危険性や、腎臓から尿道までの尿の通り道の異常を調べます
X線検査:肺や胃の異常を調べます
心電図検査:不整脈、狭心症、心筋梗塞、心筋症などの有無を調べます
超音波検査:肝臓、胆のう、腎臓、すい臓などの異常を調べます
がん検査:X線、便、細胞診などにより胃、肺、大腸、乳房、子宮などのがんの有無を調べます

異常が見つからなくても、それはそれで意味がある

 このように項目を並べてみると、体の大切な部分をほとんどくまなく調べてもらえることがわかります。これはつまり、健診は何か体の不調を感じて受診するわけではないので、自分でも気づいていない、ましてや他人が見てもわからない異常が体内のどこかに潜んでいないかどうかを、科学的に調べることを目的としているからです。

 この結果、何か異常が見つかれば「やっぱり健診を受けておいてよかった」ということになるでしょうし、逆に何も異常が発見されなくても、健康体であることを確認できたことで健診の目的を果たしたことになるのです。

逃げてはいけない精密検査

 では、何か異常が見つかったら、どうしますか? 健診での「異常」とは、一様に「病気にかかっている」ということを意味するものではありません。もちろん中には、ただちに治療が必要と診断されるケースもあるかもしれません。症状があらわれないため、健診を受けるまでは全く気づかなかったのです。健診の威力をまざまざと実感できるケースです。
 病気かどうかわからないが疑わしいデータがあらわれているので、もっと詳しく調べてみようという結果になることもあります。この場合は改めて精密検査を受けて、事実をはっきりさせなくてはなりません。ここでありがちなのが、精密検査を受けるように指示されているのに、すっぽかしてしまう人が少なからずいることです。自分の体のことなのに、「忙しい」とか「怖い」とか何だかんだ理由をつけて逃げてしまいます。放っておけばどういうことになるか、わからないわけではないでしょうに……。

警告値が出たら生活習慣の修正を

 精密検査や再検査をするほどでもないけれど、正常と異常の間のグレーゾーンか、グレーゾーンに近い高めの正常値が出ることもよくあります。こういう場合は現状の生活習慣を続けているとやがては異常値に突入してしまいますよ、という警告と受け止められます。医師からは、どうしたら正常値に戻すことができるか、食生活のしかたを中心に生活習慣を改善していくアドバイスが示されるはずです。これこそ健診の大きな目的の一つで、病気になる前の予防のためのハウツーをしっかり実践してください。

 以上のことと関連して、気をつけていただきたい「勘違い」について―。健診を受けたそのことだけで、健康管理をしたつもりになってしまう人がいます。これは単純な勘違い。健診は治療ではありません。健診の結果をそれからの生活習慣の改善に上手に活かしてこそ健診の意味があります。

 もう一度おさらいすると、健診は自分の健康管理のために毎年必ず受ける、治療が必要とされたら一も二もなく受診する、再検査が必要なら必ず受ける、医師からの生活指導を守る―これをしなければ、せっかく最新の科学技術を駆使した検査を受けたのに“もったいない”ことになってしまいます。“もったいない”は地球環境を守るためにいま盛んに見直されているキーワードですが、健康環境を守るためにも心しておきたいことです。

【監修】
御供 泰治先生


愛知きわみ看護短期大学学長
名古屋市立大学名誉教授
1966年名古屋市立大学医学部卒業、71年同大学院修了(医学博士)、71~73年米国スローン・ケッタリング癌研究所留学。愛知県がんセンター研究所、名古屋市立大学医学部内科などを経て、88年名古屋市立大学看護短期大学部教授、92~96年同学部長兼任、99年名古屋市立大学看護学部教授・評議員。2004年定年退職・名誉教授となり、愛知きわみ看護短期大学教授・図書館長、07年同学長・理事に。日本血液学会功労会員。著書に『デルカン(国試対策ブック) 』(メディカ出版)、『内臓年齢からの警告』(講談社)ほか多数。

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