セルフメディケーションとは? 自分でできる健康管理-市販薬の選び方

自分自身による健康管理は現代人の常識 

健康の知識・情報を駆使し、大衆薬も上手に活用しながら軽い不調くらいは自己判断で改善する心がけ

自分の健康は自分で守る

 O LのA子さんはまだ20代ですが、友だちからは「健康オタクっぽい」と冷やかされることがあります。ふだんから、自分に役立ちそうな健康情報を保存したり、体調管理に活用しています。例えばかぜのひき始めのときなどは、民間療法を試したり薬局で買った大衆薬(OTC 医薬品)の利用などで、こじらせる前に自分で治してしまいます。何が原因だかわからない不調のときは家庭医学書で調べるなどし、自己判断では不安だと思ったら迷わず医師に診てもらいます。

 こんなA子さんの健康管理ぶりは、本当は「オタク」などと言ったら失礼かもしれません。自分の健康は自分で守るという態度は「セルフメディケーション」と言うべきで、冷やかすどころか友だちも見習っていただきたい心がけです。

 「セルフメディケーション」とは、日ごろの健康管理や、医師に診てもらうまでもない軽い病気やケガの手当てを自分の判断で行うことです。そこで基本的に必要なのは、自分自身による健康管理の意識をもって健康や医療に関する情報や知識を身につけておくことです。A子さんが冷やかされながらも、ふだんから続けてきたことは重要なことなのです。

日ごろから自分の体調をつかんでおく

 それとともに、自分の体の状態を日ごろから把握しておくことも重要です。よく、「自分の体のことは自分が一番よく知っている」と胸を張る人がいますが、これが案外落とし穴になっていることがあります。会社の定期健康診断などで、思いもよらない異常な検査結果が出てあわてる人がいます。自分ではまったく健康だと思っていたのに、気づかないところで異常が進んでいたわけです。

 また健診を待つまでもなく、体重、体脂肪、血圧、尿糖などがチェックできる機器や検査薬などが普及しているので、これらを利用して日ごろから体調をチェックしておくこともできます。このように、自分の感覚だけでなく客観的に体調を把握しておくことが、セルフメディケーションを行ううえで重要です。

大衆薬は買う前に外箱の注意書きを読もう

 セルフメディケーションで頼りになるのは、薬局・薬店で医師の処方せんなしに買える大衆薬です。世の中には、実にさまざまな民間療法が紹介されていますが、初期症状を改善するのに、そうした民間療法だけに頼るのは限界があります。つらい症状を早めに改善したいときは、薬を利用せざるを得ないことも多いでしょう。そこで、大衆薬の上手な買い方・使い方を知っておくことは必要です。

 大衆薬は医師が処方する薬に比べると作用が穏やかで、医薬品につきものの副作用の心配も処方薬よりは小さいものが多いようです。とはいえ医薬品ですから、使い方に注意が必要なことはいうまでもありません。そこで購入する前にまず、外箱に記載してある「注意書き」を必ず読みましょう。そこでは、次のようことに注意を促しています。

(1)薬の名称
 一つの製薬会社から姉妹品のように非常に似かよった商品名で出されているものがあります。似かよった名称ながらわずかに異なるのは、ターゲットにしている症状の違いから使われている成分に違いがあるのです。同じ会社の似ている商品名だからどちらでもよいのではなく、どんな症状を改善したいかにより選ばなければなりません。
(2)効能
 何に効くのかの説明。例えば、花粉症の鼻炎などに使う抗ヒスタミン薬は眠気を催す作用もあるので、眠れない人に使われることがあります。自分の症状改善にはどちらの効能に期待したらよいのかわからなければ、薬剤師などに尋ねましょう。
(3)使用上の注意
 その薬を使ってはいけない人、してはいけないことが説明されています。持病のある高齢者、妊娠中の女性、小児、アレルギー体質の人などは特に注意が必要です。

(4)用法・用量
 薬は一度にたくさん使えばそれだけ効くというわけではなく、逆に少なすぎても効きません。1回当たりの使用量、使うタイミングなどの重要な説明です。
(5)注意すべき副作用や飲み合わせ
 使用量が多すぎるとどうなるか、ほかの薬や食品と併用するとどんな作用があらわれるか、年齢、体格、体重、体調などで副作用のあらわれやすさが変化することなどが説明してあります。
(6)保管方法
 医薬品は光、温度、湿度などの変化により変質しやすいものです。どのように保管するのが望ましいかの説明。一般的には茶筒のような密閉容器で冷暗所に保管します。夏の締め切った車の中には放置してはいけません。夏の直射日光下での車内温度は、60度ほどにもなります。目薬やシロップ状の薬などは冷蔵庫へ。このほか保存期間も長くなりすぎないように。開封したらその日付を外箱に記入しておくとよいでしょう。

大衆薬は病気の初期段階で

 薬事法の改正で、来年4月から、大衆薬はリスクの程度により第1~3類の3段階に分類され、薬剤師など専門家に相談したり使用上の注意が受けられるようになります。リスクが比較的高い第1類は、薬剤師による文書での説明が義務づけられます。第2類の医薬品は、薬剤師だけでなく、都道府県の試験に合格した「登録販売者」という専門家も、情報提供や相談に応じることになります。

 大衆薬は基本的に病気のかかり始めのときに使います。体調が何となく思わしくない、かぜのひき始め、軽い頭痛、食べすぎ、下痢などの場合です。しかしそれでも2~3日で症状が改善する兆候が見られないとか、むしろ悪くなったときは、医師に診てもらうべきでしょう。また乳幼児の場合は大人と同様には対処できませんから、早めに医師に相談すべきです。

(日本大衆薬工業協会 市民公開講座
   「健康が気になりだした人のためのOTC医薬品とヘルスケア」より)

【監修】
望月 眞弓先生


慶應義塾大学薬学部教授

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