栄養バランスのいいお弁当のコツ-配分は3:2:1がベスト

手早くできて健康によいお弁当づくりのコツを紹介

栄養バランスも適量も簡単にわかる。野菜料理はきんぴらがおすすめ。くり返し使える仕切りでエコに。

3:2:1のスペース配分で栄養バランスもバッチリ

 最近、男性用のお弁当箱が売れているそうですが、男女を問わず、職場に手づくり弁当を持参する人が増えています。不況が続くなか300円弁当などが話題になりますが、手づくり弁当は経済的で健康面でも優れ、そして容器の使い捨てのゴミを考えればエコにもつながります。

 栄養バランス弁当をつくるときに覚えておきたいのが「3:2:1」の栄養配分比例です。お弁当箱を上から見て、そのスペースの半分にご飯やパンなどの主食を入れ、残り半分のスペースの3分の2に野菜料理などの副菜を、3分の1に卵や魚、肉などたんぱく源の主菜のおかずを詰めます。これで主食3、副菜2、主菜1の配分となり、栄養バランスが整います。

 一般的には大人のお弁当箱のサイズは600から800mlですが、このサイズを用意すれば大人の1食分のエネルギーである600から800kcalがとれる内容になります。しっかり詰めれば、外食でごはんと焼き魚と野菜料理2品付きの魚定食を食べるのと同様の栄養が、お弁当で確保できます。カロリーオフしたい人は、比率を変えずにサイズを500mlにすれば、栄養バランスはそのまま、ほぼ500kcalになります。

お弁当で野菜を100gとろう

 お弁当の魅力の一つに、外食で不足ぎみな野菜がとれることがあります。1日に必要とされる野菜の摂取量は300から400gですから、お弁当には約100g、生の状態で片手山盛り程度が目安量となります。お弁当には緑のブロッコリーや小松菜、赤いトマトやにんじん、きゅうりやキャベツ、レタス、大根、かぶ、たまねぎなど定番野菜のほか、冷凍野菜も上手に使い、季節の野菜を少し取り入れます。

 お浸しなどは時間がたつと汁けが出やすいので、味付けして絞った後に、かつおぶしや刻みのり、すりごま、とろろ昆布などを最後にまぶします。そうすることで食べるときには水けを吸ってくれるので水っぽさが解消され、しかも旨みも加わります。お弁当の野菜料理でおすすめなのがきんぴらです。にんじんとごぼう、はすや大根、セロリ、さつまいもなどを油で炒め、ごまやカレー粉などで風味をつけるとレパートリーが広がります。

 ごはんには、のりやごま、ゆかりなどを少々かけると彩りがアップします。定番の卵焼きも、しらすや桜えびを入れ、しいたけや青のり、ゆでて刻んだ青菜などを混ぜて焼くと、彩りも味もグーンと良くなります。魚料理は煮魚よりソテーがおすすめです。肉も油で炒めると短時間でできますが、肉は冷めると脂が固まってしまうので、熱いうちにキッチンペーパーで油を拭き取ります。

 お弁当は忙しい朝に作るので、材料を切ったり下ゆでするなどの下処理は前日にしておくとあわてずにすみます。そして大きなフライパンがあれば、1人分なら同時進行で料理がつくれます。
 たとえば、(A-1)冷凍野菜のミックスベジタブルを銀紙カップに入れバターやチーズを添えて温めながら、(A-2)残りスペースでゆで野菜入りのスクランブルエックができます。
 ほかにも、(B-1)鮭を一口大に切ってマヨネーズにからめ、そのまま焼けば油を使わないでマヨネーズ焼きができ、(B-2)残りスペースではゆでた小松菜やキャベツを炒め、かつおぶしをまぶします。

詰め方にも一工夫。寝坊したときは素材弁当を!

 お弁当を詰めるときのコツは、おかずは冷めてから入れることです。熱いうちに蓋をすると、中で蒸れて腐敗しやすくなります。ご飯は冷めすぎると詰めにくいので、先に詰めておいて冷まし、後から冷めたおかずを詰めるがコツです。

 仕切りがないと味が混ざり合ってしまうので、銀紙カップなどを使うのが一般的ですが、最近は黄色やピンクのシリコン製カップが出回っていて、これなら使い捨てにせずくり返し使えます。または、レタスやサラダ菜など食材を仕切りにしてもいいでしょう。

 お弁当はすき間ができてしまうと、運んでいる間に崩れてしまうことがあります。そんなとき便利なのが黒豆やうずら豆などの甘煮で、小さなすき間を埋めるのにぴったりなうえ、ささやかな甘さもお弁当には新鮮です。プチトマトや一口チーズなどもおすすめです。

 寝坊したときには、パンはベーグルやロールパンなどをそのまま持参し、ゆでっぱなしのジャガイモやブロッコリー、生のプチトマトやきゅうりをタッパーウエアに入れても立派な一品。殻つきのゆで卵も加えて、素材弁当のでき上がり。携帯用のマヨネーズや塩コショウを職場に用意できれば、さらに手軽です。デザートにみかんやりんご、柿など手軽に食べられる旬の果物を持参すれば、栄養価も満足度も上がり完璧です。

 今、全国の小学校から大学まで300校近くで、食べる子ども自身が自分でメニューを考え、料理したお弁当を持参する「お弁当の日」が広がっています。彼らが社会人となるころには、男女共に、美味しく健康的な手づくり弁当派が、どんどん多くなっていくかもしれませんね。

(編集・制作 (株)法研)

【執筆】
小池 澄子先生


管理栄養士・女子栄養大学生涯学習講師
明治乳業に10年間勤務し、妊産婦や乳幼児の食事相談を担当。独立後、「自然と食と人」を結ぶネットワーク『有限会社カナ』を設立。日本航空インターナショナル健康管理室非常勤栄養士。帝京科学大学非常勤講師。企業やクリニックでの食生活を中心とした健康管理指導、保育園や地域での子育て支援、栄養相談、料理教室や、講演、新聞、雑誌など、幅広く活躍中。栄養、料理、農業を通じて、「心と体と社会の健康」を高める情報やレシピを提供し、食を柱にした子どもと大人のための食育活動を展開。

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