減量はこんなに恐ろしい

 ここでは減量の長所と短所と気をつけなければならない点について述べていきたいと思います。

 「ダイエット」という言葉を聞いて最初に思い浮かべるのは「減量」です。食べるカロリーを減らせば単純に体重が減少するのは当たり前です。ではどのくらい摂取カロリーを減らしていけば体重が減少するのでしょうか? これを知るためには基礎代謝カロリーを知らなければなりません。これはじっとして休息をとっている状態で、人間が生命活動を維持していくのに必要なカロリーのことを表します。目立った運動をしない人なら、この基礎代謝カロリーを越えたカロリーの食事をすると太り、それよりも低いカロリーに抑えていれば単純にやせていくという図式です。はたしてそのようにうまくいくのかはさておき、まずは自分の基礎代謝カロリーがどのくらいなのかを知りましょう。


自分の基礎代謝カロリーを把握しましょう


基礎代謝カロリーの簡単な計算方法

 基礎代謝カロリーは年齢、性別、体格、体重によって変わります。というのも、体で作られる熱の多くは筋肉で作られるからです。なんと全体の40%が筋肉で消費されます。当然ながら筋肉の多い人、体重の多い人は基礎代謝カロリーがアップします。そしてやせ体質ということになります。

 また、人種によっても基礎代謝カロリーは違うのですが、残念ながら日本人は欧米人に比べて基礎代謝カロリーが低いのです。つまり、日本人は太りやすい体質ということですね。

 それでは実際にあなたの基礎代謝を計算しましょう。

 だいたい、10代、20代女性の基礎代謝カロリーは「体重×24」で表すことができます。たとえばあなたの体重が50kgとすると基礎代謝カロリーは1,200kcalということになります。ご飯茶碗1杯分が約200kcalなので、ご飯6杯分ということがわかります。しかし、これはあくまで1日中安静にしていたときの消費カロリーであって、日常生活では多少なりとも動きますから、これよりも多くのカロリーを消費します。日常生活で消費するカロリーを「エネルギー所要量」といい、10代、20代女性で約2,000kcalとなります。つまり、1日に2,000kcalを下回る食事ならやせていくことができるということになります。

 ですから、無理なくやせていくには、1日に1,600~1,800kcalを目安に食事をしていくと減量によるダイエットが成功することがわかります。ところが、それだけで減量ができるのか……というと、実はそこに大きな落とし穴が待っているのです。


カロリーを減らすばかりがダイエットではありません


減量ダイエットの落とし穴

 以上のように1日に1,600~1,800kcal以内の食事量で抑えていれば体重が減少していくはずなのですが、ここに大きな落とし穴があります。体重が減少するときに、確かに脂肪が燃焼されていくのですが、実はそれと同時に筋肉も落ちていきます。脂肪だけが落ちるということはなく、筋肉も脂肪に比例して落ちていきます。基礎代謝カロリーの40%が筋肉で消費されるのですから、つまり基礎代謝カロリーも減っていきます。ですからある程度体重減少の効果があっても、そこからはもっと食事量を減らさないと体重が落ちていかなくなるのです。だから、減量によるダイエットはあるラインまで達すると、そこから以降は体重が減らなくなるのです。この結果にあせって、さらにカロリー制限すると、そこからは身体にさまざまな悪影響が出てくるようになります。

なんと! 減量が太る体質を作る

 減量を続けると、心配なのがリバウンドです。具体的にいうとリバウンド現象とは、1. 少し食べるだけでも太る体質に変ってしまうこと、2. いくら食べても空腹感がおさまらない体質に変わること、の2つです。

 実をいうと減量をすると甲状腺ホルモンの分泌が低下し、基礎代謝カロリーをさらに減らしていこうとするシステムが働いてしまうのです。これは当然のこと。なぜなら食料が少ないときに体がカロリーを消費する体質のままでいると、栄養失調になって餓死してしまうからです。さらに意欲も低下し、余分な行動を慎むように脳内ホルモンのバランスが変化します。この変化はノルアドレナリンなどの脂肪燃焼を促進させるホルモンを低下させますので、体がどんどん太る体質へと変化を起こすのです。つまり、1,200kcalが基礎代謝量だとすると、たったの1,400kcalの食事をしただけで、少しでも余った分を脂肪にして貯蓄できる低燃費な体になるということです。このような体質を太る体質と呼びます。

 さらに、満腹中枢がなかなか興奮しない状態になります。これを簡単にいうと、食べても食べてもなかなか満腹にならないということです。

 やせてくると、体は少しでもカロリーを多く補給してもらおうと画策します。そのために、食べても食べても満足感が出ないように脳をシフトさせてしまうわけです。ですから、少し食べたら太るうえに、食べても食べても満足感が出なくていくらでも食が進む状況になるということです。このような太る体質が、減量することによってできてしまうのですから恐ろしいことです。これがいわゆるリバウンドというものなのです。

減量はリバウンドをいかに防ぐかが成功のカギ

 このように、減量は太る体質を作ってしまうことが理解できたと思います。だからこそ、1カ月で減量に成功しても1週間でもとに戻ってしまうのです。このままでは一生ダイエットなんて成功しません。ですから、減量をするうえで大切なことはカロリー計算ではなく、いかに「太る体質にならないようにしながら減量するか」につきるわけです。

 つまり、減量療法というのは、減量だけで終わるのではなく、「減量」+「リバウンド防止」の2つを実施して初めて効果があることがわかります。きつい言いかたをすると、リバウンド防止の手段をとらない減量法はダイエットでもなんでもないと断言します。

 世の中にはカロリーだけを減らしていくダイエット食品が多数あり、それなりに売れ行きも順調ですが、そのあとのリバウンドがどうなるのかまで懇切丁寧に述べてくれているものは1つもありません。エステではリバウンド防止のための方法を教えてくれるところもありますが、そこには嘘も多いと聞いています。

 そこで、エステに通ったけど、ダイエット食品を食べたけど……ダメだった、というあなたに、リバウンド防止方法を伝授したいと思います。

 あっ、もう時間だ! 続きは来週にさせていただきます。


リバウンドを防止するのがダイエットの本分です。次回はその方法をお送りします!


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マンガ・野村ポレポレ



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