看護師の仕事には、実は幅広い選択肢があります。病院かクリニック、訪問看護。それぞれの待遇やメリットデメリットについて比較を交えながら、経験のある先輩ナースに聞きました。

・Aさん
未婚、36歳、神奈川県在住。オペ室勤務。看護師歴14年目、転職して4年目。

・Bさん
30代後半、都内在住。看護師歴17年、現在の病院は4年目、オペ室勤務。
結婚1年目の新婚さんナース。

・Cさん 男性ナース

27歳、独身、都内在住。看護師歴7年目。今回初めて転職を経験。

クリニックと病院勤務では何が違う? 転職前に知っておこう看護師の職場ごとの福利厚生や待遇のリアル


目次

・選択肢が多い看護師の働き方、配属はどう決まる?
・給与の罠に気をつけよ!看護師の平均年収
・給料よりも大事?福利厚生について
・支援制度も!再び看護師として復帰する場合
・クリニックと病院勤務の違いは?
・経験は活かせる?訪問看護の実態
・転職前に知っておきたい、看護師の職場ごとの実態まとめ

■選択肢が多い看護師の働き方、配属はどう決まる?

転職を機に診療科を変えようと考えている人も少なくないはず。先輩たちはどうだったのでしょうか。現場の実態を教えてもらいました。

ーーそもそも担当する診療科はどのように決定するのですか?

A:一般的なのは、第三希望まで要望を出して、その中で決まることがほとんどです。新人の場合は、3ヶ月のローテーション勤務でいろんな科を回って希望を踏まえて配属が決まります。人気の科は面談でどれだけ熱く思いを語れるかで決まることもありますね。
B:基本的に人手が足りないこともあって、一度手術室の経験があるとその後も手術室に配属される傾向があります。それが嫌だったら手術が無い病院へいかなければならないです。

ーー新人でもオペ室に入ることはありますか?

B:教育体制が整っていれば、新人でも手術室の配属になります。基本的に病棟とオペ室の看護は違うので、器械の名前を覚える必要があり一からの勉強になります。オペ室の配属になって、やっぱり「病棟がいい」と辞めていく人も多いですね。
A:あとは外科系が好きか内科系が好きか、好みにもよります。
C:外科と内科ではケアの方法も違いますからね。

ーー外科か内科かは看護学生の頃からわかるもの?

A:実際に働いてみないとわからないですね。学校の実習レベルでは外科も内科も、話し相手がメインだったりするし。
B:ケアも大したことはしてないので、看護の本当の大変さは実習ではわからないです。

実際に経験してみないと適合しているかどうかがわからないのが実情。転職を通していろんな科で経験を積みながらキャリアを形成していく先輩も多いそうです。

■給与の罠に気をつけよ!看護師の平均年収

同じ看護師でも、働く病院や地域によっても待遇に大きく開きがあるようです。また、はじめに提示された給与の目安にも、思わぬ罠が潜むケースもあるのだとか。

ーー看護師の一般的な平均年収はどれくらいですか?
A:20代だったら500万円くらいかな。
B:都内の大きめの病院で、夜勤するかしないか、年代よりも夜勤体制によります。夜勤ができるかによって違いますね。
C:基本給だけだったら500万円には届かなかったけど、超過勤務とか夜勤の数が多いと上がります。昨年はそれで飛躍的に年収が上がりました。

ーー事前に提示された給与の目安と実際のお給料に差はありましたか?

C:もうちょっと高いかと思ったんですけど、実は入ってみると低い(笑)
B:病棟は夜勤もあるので高いですが、オペ室はそれがないので当然下がりますよね。
A:だからこそ、病棟とオペ室との格差をなくすために手当てをつけて同等にするかと思ったら、そうではない。だから格差は広がります。正直、馬車馬のように働いても給料が低い。

ーーどれくらい変わりますか?

A:年収で言えば100万くらい違うと思います。年齢と給料が同じと言われてますけど、あれ、初任給?みたいなこともあります(笑)
B:看護師の免許を持ってるんだか持ってないんだかの給料です。
C:ただ、大学病院は昇給率がいいんですよね。年間7000〜8000円くらいは上がるから、いればいるほど給料が上がる。大学病院とか大病院のメリットですね。転職エージェントさんにもそれは言われました。

配属先によっては100万円もの開きが出てくる給与形態。やりたい看護と給与とのバランスを見ながら、自分なりのメリットを探して落とし所を見つけることも大切なようです。

 

クリニックと病院勤務では何が違う? 転職前に知っておこう看護師の職場ごとの福利厚生や待遇のリアル

■給料よりも大事?福利厚生について

給与と並んで注目したいのが福利厚生。ライフステージによっては、給料よりも福利厚生の方を優先させる時期もあるのだとか。

ーー現在の福利厚生はいかがですか?

B:いまの病院の魅力は、病院の敷地内に保育園があるので看護師の仕事を続けられやすいんです。給料はそれほど高くないものの、保育園を探さずに格安で入れたり、子どもが熱を出したら特別な有給が使えたり。そういう福利厚生は魅力的です。

ーー病院には寮を完備しているところも多いですよね。

B:病院ごとの条件にもよりますが、寮にも住めますし住宅補助があれば自分で探した家に住むこともできます。

ーー寮のメリット、デメリットは?

A:病院から徒歩圏内の場所にキレイなマンションを借りてもらえて、更新料も不要。家賃相場の3分の1くらいの家賃で住めることと、同期と一緒に住めるので、地方からきた人には心強いですよね。遠方からだと引っ越し代が出るので手厚いです。
A:私は病院や同僚が近くにいるのが苦手なので、住宅手当をもらって離れたところから通っています。
B:気の合う同期がいるとは限らないもんね。彼氏連れてきてたことが話題になるし(笑)
C:ただ、居住にも制限があって、最長何年とか臨床経験何年とかの条件を設けている病院もあります。
B:そういうところは給料も上がっていますよね。うちの場合は給料が上がらないので、給料の範囲で住める場所を探すしかない。寮から出た瞬間にどうする?って転職を考えるきっかけにもなっています。

ーー敷地内に寮を完備した病院もありますよね?

B:昔は病院の敷地内に設けているところも多かったですね。
A:家でも救急車の音を聞いてね。
C:休まらない……。
B:通勤時間がかかりすぎるのももったいないけど、オンとオフがないのも辛い。
C:転職サイトを見ていたら病院の上のフロアが寮になっているところもありました。
B:間違って下に降りたら大変ですね。

寮は同期などの同僚が暮らしているので休みの日でも飲みに行くこともあるようです。一方で、プライベートを重視する人は住宅手当を利用して自分好みの家に住む選択肢も。制度を利用するには条件が設けられているケースもあるのでしっかりチェック。

■復職支援制度も!再び看護師として復帰するケース

ーー看護師を一度やめた場合、特にオペ室への復帰は大変ですか?

A:異業種に転職した経験のある先輩は、体が覚えてるって言ってました。
C:特にオペ室は日勤業務で、土日も休めますし。時間が読みやすいので予定が立てやすいから楽だという声も聞きます。
B:この病院を選んだ理由は、将来子どもを育てながら働けることが決め手でした。託児施設もあるし、復職する際には復職支援制度があるので、ちょっと現場から離れていた人に対しても再び働ける配慮があるのは安心ですね。

ーー具体的にはどんなことをするのですか?

B:日々進化していくのが医療の世界なので、新しい器械の取り扱いを教えてもらったり、点滴を刺したり。
1日だけの職場復帰体験もあるので、ブランクがあっても働きやすいです。転職する際には、教育体制がしっかりしているかどうかを見るのもコツです。ただ単に使い捨てのナースとして見ていないという証拠でもあると思います。
A:こちら側もいきなり復帰するのは不安があるので、心強い体制です。
B:ただ、ある程度の規模の病院じゃないと実現しない体制ではありますね。

復職のための研修を設けている病院も増えているようで、一度病院を離れた人にとっては嬉しい制度です。

■クリニックと病院勤務の違いは?

クリニックと病院勤務は設備の規模だけでなく、看護にどんな違いがあるのでしょうか。

ーー転職の際にクリニックを紹介されることはありますか?

C:転職エージェントに登録するとまずはじめに聞かれますよね。病院かクリニックか、施設か。
B:年収ベースでみると、お給料が全然違うこともあって。あとは家の近くにあるからとか、子育てと両立したいからとか、そういう方が転職するイメージです。
A:そもそも採用基準が臨床3年以上とか、ベテランを募集しているところが多いので、新人さんはあまり行かないかも。
B:新人でも採用しているのは透析ですね。ケアが独特なので、看護師の経験があっても一から覚えます。だから新人、未経験でもOKといえば透析です。日勤でお給料も普通のクリニックより高いイメージです。

ーーなるほど、病院勤務とは何もかも違ってきそうですね。

B:クリニックには「扶養内でOK」の募集が多くて、旦那さんの扶養に入って週に数回出勤するスタイルでしょうか。
A:パート的な働き方になりますね。
B:少人数で働くのって、本当に合わなかったときにその環境で仕事をするのはちょっと辛いですよね。
C:あとは、先生が開業するときに引き抜かれるケースはよくあります。
B:友人も先生の開業で声をかけられて、普通の病院よりも高いお給料をもらってクリニックで働いています。ただ、クリニックは個人経営なので、いつまでもあるとは限らない懸念点もありますね。

クリニックからの復帰はややハードルが高いのではないかと口を揃える3人。子育て世代や、ハードな働き方を望まない場合、パートタイムとして働きたい人にはメリットがありそうです。

クリニックと病院勤務では何が違う? 転職前に知っておこう看護師の職場ごとの福利厚生や待遇のリアル

■経験は活かせる?訪問看護の実態

看護師には病院やクリニック勤務の他に、施設や自宅に訪問する訪問看護という選択肢もあります。看護師免許があるからこそできるケアもあるのですが、実態はどうなのでしょうか。

ーー路線を変えて、訪問看護という選択肢もありますね。

B:以前、単発のお仕事で訪問看護と訪問入浴のお手伝いをしました。病院の中でやっていることと全く違っていたことが衝撃的でした。病院の中では看護ができても、訪問になると条件が限られます。家の中でできること、予算の範囲内でできること、あとはご家族がいいと思っていることが優先なので、看護としての視点だけではないのが難しかったです。
A:家族の意向に沿ってできることをしていくのが訪問看護。
B:それこそ年をとって柔軟性が出てきてからの方がいいのかな。
A:そうじゃないと、ぶつかってしまいそう。
B:入浴を手伝った時も、ヘルパーさんたちと一緒で、主導権はヘルパーさんが握っていた。あとはご家族の意向も大事で、オムツや着替えなどのやり方も病院のやり方が通用しなくて。ご家族が「こうやって欲しい」という要望を聞いてその通りにしないと、一つ違うだけでクレームがきたり……。
C:家族のリズムに柔軟に対応できるかどうか、ですね。
B:移動も絶対に怪我させられないので、病院で看るよりもずっとハードルが高いと感じました。

病院で経験した看護がそのまま通用するとも限らない訪問看護では、特に柔軟性が求められるようです。こうした単発での経験をすることでも自分がどういう看護を目指すのか、方向性が見つかりそうです。

■転職前に知っておきたい、看護師の職場ごとの実態まとめ

ライフスステージによっては、給与よりも福利厚生が優位になることもあるなど、その時の状況によって働く場所や求める条件が大きく変わってくるのが印象的でした。

・選択肢の幅が広い看護師の仕事。転職をしながら経験を積んでキャリアアップを目指すのも働き方の一つ。
・給与だけで病院を選ぶのではなく、自分のライフスタイルにあった福利厚生や制度も検討する。
・復職のための支援制度を利用すればブランクがあっても復帰できる。
・働く場所や病院の規模によって業務内容が大きく異なるので、自分がどういう看護を目指すのか、経験を通して方向性を決めるのも手。

看護師免許が活かせる職場は病院だけに限らず多岐に渡っています。固定観念に縛られず、幅広い視野を持って情報を集めることで、看護師としてまた新たなフィールドに立てそうです。

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