オフィスでも油断できないエコノミークラス症候群

エコノミークラス症候群は飛行機以外でも

 エコノミークラス症候群は正式には「静脈血栓塞栓症」といいます。飛行機などで長時間座りっぱなしになることが原因で主に下肢の静脈に血栓ができる病気です。血栓ができた状態で急に立ち上がるとその勢いで静脈にできた血栓が流れ、肺動脈を塞いでしまって最悪死に至るケースもあるのです。
 
 
 静脈の流れは、歩行や足の運動で起こる筋肉の収縮によって助けられています。そのため、長時間同じ姿勢のまま下肢(足)を動かさないでいると、静脈の血液の流れが遅くなり、血栓ができます。
 
静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症) – goo ヘルスケア

 
 エコノミークラス症候群は、飛行機などの乗り物で発生する病気と捉えられていました。しかし、2004年の新潟県中越地震により車中で寝泊まりしていた被災者がエコノミークラス症候群で死亡してから、乗り物以外でも発症するリスクがあると注目されるようになりました。

オフィスに潜むエコノミー症候群

 全国の20~30代の働く女性に対する調査では、1日2時間以上座ったまま仕事をしている女性が8割以上、そして座り仕事の平均時間は6時間13分という結果が出ました。
 
 
 一般に、ロングフライト血栓症は、乗り物に乗る時間が6時間以上になるとき起こりやすいといわれ、時間が長くなるほど発症率が高まることがわかっています。ほかにも、空気の乾燥や水分不足、体を締めつける服装などの条件が重なると、発症しやすくなります。
 
ロングフライト血栓症を防ごう – goo ヘルスケア

 
 エコノミークラス症候群が世間に認知されるようになってから、飛行機ではエコノミークラス症候群に対する注意が促されるようになりました。しかし、オフィスでも知らず知らずのうちにエコノミークラス症候群と同じ危険にさらされていると気付いていない人がほとんどではないでしょうか。
 
 デスクワークではほとんど足を動かすことがないため、血液が下肢に滞りやすくなっています。しかも、部屋が空調管理されていて汗をかくことが少ないため水分不足になりやすく、血栓ができやすい状態になっているのです。特に、椅子に座って足を組んだり、パソコンで作業する人は注意が必要です。

簡単ストレッチで予防

 オフィスでのエコノミークラス症候群を防ぐためには、水分補給と軽い運動が効果的です。
 
 
 最初は小さな動作でゆっくり行い、次第に大きな動作で素早く行うようにします。それぞれ20回を1セットとして、2~3セット行いましょう。
 
ダイナミック・ストレッチングでむくみ解消 – goo ヘルスケア

 
 次に、血流やリンパの流れを促すストレッチをご紹介しましょう。
 
 

 (1)まず、両手をテーブルかいすの背に置き、片脚を大きく後ろに引きます。このとき、引いた足が1本の棒のように伸びて、床の中に入り込んでいくようなイメージで伸ばします。
 (2)続いて、上半身(腰から頭)を天井のほうに向かって棒のように伸ばします。股関節を中心に、上下に伸ばされた状態です。
 
 ゆっくり、そしてしっかりと、気持ちよく感じるまで、90秒以上伸ばし続けてください。勢いをつけたり、無理に伸ばすことは避けましょう。
 
仕事の合間に簡単ストレッチ6 脚のむくみ – goo ヘルスケア

 
 オフィスは空調管理されているため乾燥しやすい環境です。したがって、汗をかいていなくてもこまめに水分補給をしてください。また、適度に足を動かすことはエコノミークラス症候群の予防になるだけでなく、足のむくみにも効果があります。1~2時間に1回のペースで席を立って歩きまわることが理想ですが、椅子に座ったままでつま先やかかとを上げ下げしたり、足首をぐるぐる回すのもよいでしょう。

 オフィスでは、飛行機などの乗り物よりも運動を制限される環境ではありません。しかし、意識的に足を動かさないとエコノミークラス症候群と同じような状態に陥る可能性があるのです。気分転換や足のむくみ防止も兼ねて、意識的にストレッチなどで足を動かすようにしましょう。