あまり知られていない妊婦に起こり得る不育症

流産をくり返す不育症

 不育症とは妊娠はしても流産をくり返してしまことをいいます。広い意味合いで、2回連続流産する反復流産、3回以上の連続して流産する習慣流産となります。精卵の偶発的な染色体異常や夫婦の染色体の構造異常による原因で、誰にでも起こる可能性があるのです。
 
 
 このうち流産との関連がはっきりしているものに、母親の子宮の奇形や、胎盤などに血栓を作りやすい抗リン脂質抗体症候群などがある。後者の治療には、アスピリンの内服やヘパリン注射などで血を固まりにくくする抗凝固療法が行われる。
 
不育症 – goo ヘルスケア

 
 異常によるものと偶発的に流れるものがあり、前者は適切な治療をし後者は次回の妊娠で出産するケースが多いです。実際に起こると不安になりますが、出産をあきらめずに済むことも覚えておいたください。

不育症と生活習慣の関係

 不育症の主な原因に生活習慣が関係しているという情報もありますが、不育症は確率の問題なので直接関係していることはありません。習慣流産などの原因は、子宮の異常などと考えられているのです。
 
 
 習慣流産の原因は、母体側の要因として、 免疫学的異常(自己免疫性疾患(じこめんえきせいしっかん)、抗(こう)リン脂質抗体症候群(ししつこうたいしょうこうぐん)など)、内分泌・代謝異常(糖尿病(とうにょうびょう)、甲状腺(こうじょうせん)異常、黄体機能不全(おうたいきのうふぜん)など)、子宮の形態異常(子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)や中隔子宮(ちゅうかくしきゅう)など)などがあります。
 
習慣流産・不育症 – goo ヘルスケア

 
 もちろん母体に影響が出る生活を続けていくと、胎児に悪影響を与えます。血の巡りが悪くなる、精神的ストレスを多くかかえないよう妊娠時の注意を怠ってはいけません。

不育症のおよその統計人数

 全国で見て妊娠した女性の2割弱は流産を経験し、そのうち回数を重ねる不育症はごくわずかとなります。確率は低いですが起こり得ることでもあると頭の隅に入れておくとよいでしょう。
 
 
 一般に妊娠の15〜20%は自然に流産するとされています。偶然2回連続して流産する確率は、2〜4%と低くはなりますが、あり得る確率です。しかし3回連続する確率は、0・3〜0・8%となり、何らかの流産を繰り返す原因があると考えて検査をすることが望まれます。
 
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 全国では約140万人いると数字を出した名古屋市立大病院の研究があります。推定では2回以上連続して流産した女性が1年間に約3万人います。しかし、一時は不安になるも立ち直り、無事に次は出産されている人数も多いそうです。

不育症の治療方法

 原因が判明した場合に応じて不育症専門外来へ行き、検査と治療を選択します。産婦人科の医師と相談し納得のいく方法を選ぶのです。子宮形態検査、血液検査を行い、抗凝固薬による血栓予防や外科的手術療法を受けます。原因が判明しないときは、次の医療界の見解になります。
 
 
 原因不明のものに対しては、夫のリンパ球を培養して妻に皮下接種する夫リンパ球免疫療法や、γ(ガンマ)グロブリン大量療法などが試みられていますが、これらの有効性についてはまだ確立されたものではありません。
 
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 不育症の主な原因は偶発的な流産のため、現状は根本的な事前対策がありません。発症してからの治療や心のケアが重点的になります。

不育症の治療費

 不育症の一般的な検査や治療に保険が適用されます。ただし研究段階の検査や治療など効果や安全性がまだ認められていない場合は適用外です。不育症の原因により治療費が異なるので、医療機関にご確認ください。
 
 自治体によっては助成金を設けています。厚生労働省ホームページ「全国の不育症相談窓口」にて調べることができます。徐々に制度が確立しており、有効な治療法の研究も取り組まれています。
 
 
 不育症の検査や診断・治療は、一般には不妊症の治療を行っている医師があたっていることが多いのですが、不育症は高度で専門的な知識が必要なため、不育症に詳しい医師の診断や検査・治療を受けることをすすめます。
 
妊娠はしても流産をくり返したら不育症かも – goo ヘルスケア

 
 不育症を専門にしている医師との相談や診断が最も有効な手段です。女性の不安を取り除くためにも、専門医に助言してもらうことが大切です。

 不育症の原因が偶然起こる染色体異常のため妊娠前の対策がなく、どんな妊婦でも発症する恐れがあります。あらかじめ染色体異常がわかること以外に事前に調べる方法はありません。しかし発症後に出産が可能である場合が多く、不育症以外に不妊の原因がなければ次の機会もあるのです。