湿疹やじんましんとは違う!実は怖い多形滲出性紅斑

湿疹やじんましんの原因は?

 湿疹の主な原因は、刺激物に肌が触れることです。
 
 刺激物とは、アクセサリー類などに使われている金属(ニッケルなど)や、ぎんなんなどの植物、服に使用されているゴム、洗剤や化粧品などに配合されている界面活性剤や化学物質などです。また、その他にも医薬品を服用することで湿疹が発症するなど、湿疹の原因はさまざま。特に、湿疹の症状が現れやすい人は、肌が乾燥傾向にある人が多いようです。
 
 そして、じんましんの原因は、食べ物によるアレルギー反応や植物、感染症や抗生物質など原因は色々ありますが、原因がわからない場合もあります。特に1ヶ月以上じんましんの症状が続く慢性蕁麻疹の場合、原因がよくわからないまま経過することが多いそうです。

湿疹とじんましんの症状は違うの?

 湿疹とは皮膚が炎症する症状のことであり、別名皮膚炎とも呼ばれおり、紅いブツブツが肌にできることが特徴です。アトピー性皮膚炎や、貨幣状皮膚炎などがあり、かゆみを伴う場合が多く、かゆみの程度は病状により異なり、湿疹の大きさも病状によって違ってきます。
 
 
 10円硬貨くらいの大きさの湿疹がいくつも現れ、強いかゆみがあります。
 
貨幣状皮膚炎 – gooヘルスケア

 
 

 アトピー性皮膚炎は、増悪(ぞうあく)・寛解(かんかい)を繰り返し慢性的に経過する、かゆみのある湿疹と定義されています。患者さんの多くはアトピー素因をもっています。乳幼児から成人まで、あらゆる年齢層で発症する病気です。
 
アトピー性皮膚炎<子どもの病気> – gooヘルスケア

 
 湿疹は症状が進むと、肌にできた紅いブツブツが水ぶくれへと変化し、水ぶくれは時間経過により破裂します。赤いブツブツから水ぶくれ、そして破裂という症状を繰り返すたびに、皮膚が厚くなりかゆみもその分強くなっていきます。
 
 一方、じんましんも、湿疹のように紅いブツブツが皮膚に現れ、湿疹と同じくかゆみを伴う場合が多いです。そのため、症状の区別がつきにくいですが、湿疹の場合は「症状を持続したまま悪化」して、じんましんの場合は「症状が現れたり消えたり」を繰り返します。また、湿疹は症状を繰り返すことで、肌がかさついていきますが、じんましんは症状を繰り返すことでかさつくことはありません。そして、湿疹やじんましんと似たような症状の病気がまだあります。それが「多形滲出性紅斑」です。

多形滲出性紅斑とは?

 多形滲出性紅斑とは軽度の場合は、円形の紅班が手から肘、足から膝のあたりまで生じる症状です。
 
 
 円形の紅斑は二重の輪郭(りんかく)を示し、辺縁が少し盛り上がり、中央がくぼんだ標的の形をしたものや、平らなもの、紅斑の上に水疱(すいほう)やびらんを伴うものなどがあります
 
多形(滲出性)紅斑、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症 – gooヘルスケア

 
 かゆみがあり、症状が軽い場合発熱などの症状は見られないため、湿疹やじんましんと区別がつきにくいですが、左右の手足にほぼ対象に紅班が現れるのが多形滲出性紅斑の特徴です。しかし、重度になると紅班は足や手だけでなく全身に現れ、発熱やリンパ節の腫れ、口腔粘膜がただれるなどの症状が出ることもあります。湿疹やじんましんも全身に現れることがありますが、重度の多形滲出性紅斑は最悪の場合、生命に危険が及んだり、失明したりすることもあるようです。重度の多形滲出性紅斑を、以前は「スティーブンス・ジョンソン症候群」や「中毒性表皮壊死症(TEN)」と多形滲出性紅斑とは別の病気として扱われてきていました。
 
 

 スティーブンス・ジョンソン症候群では、高熱とともに多形紅斑様の発疹が現れ、水疱・びらんを伴います。眼、口、陰部などの粘膜にも高度のびらんがみられます(図7)。皮膚のびらんが体表面積の10%未満であればスティーブンス・ジョンソン症候群、10%を超えると中毒性表皮壊死融解症と呼ばれます。
 
多形(滲出性)紅斑、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症 – gooヘルスケア

 
 しかし、近年は、さまざまな症例などを参考に研究が進んだことにより、病気の本質はどれも同じで、重度なのか軽度なのかという程度の差によって違うだけだと考えられるようになりました。

多形滲出性紅斑の原因は?

 多形滲出性紅斑は、軽度の場合感染アレルギーや単純ヘルペスウイルスが原因となって発症することが多いようです。重度の場合は、薬剤による原因が多く、中には肺炎マイコプラズマが原因で発症した人もいるようですが、原因が全くわからないこともあるそうです。
 
 また、多形滲出性紅斑のち療法は、発症原因によって違ってきます。軽度の場合、副腎皮質ホルモン剤や点滴注射などで症状が治まってきますが、感染が原因の場合は再発する可能性があるので、軽度であっても入院する必要があります。
 
 薬剤が原因により発症した場合は、疑わしい薬剤の使用を中止するだけで回復する人もいますが、症状があまりにも進んでしまうと重度やけどのような治療を行うことになります。

重度の多形滲出性紅斑の死亡率は?

 全身に症状が現れ、発熱やリンパ節が腫れたりしてしまう重度の多形滲出性紅斑は、最悪の場合、命を落とすこともあります。
 
 
 死亡率はスティーブンス・ジョンソン症候群で6・3%、中毒性表皮壊死融解症では21・6%に達します。
 
多形(滲出性)紅斑、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死融解症 – gooヘルスケア

 
 また、症状が回復し、生命の危機を免れたとしても失明したり、眼に後遺症をもたらしたりします。

 生命の危機にさらされないためにも、大切なのは早期発見早期治療です。症状が進むとそれだけ治療も大掛かりなものになり、死亡率も上がります。しかし、症状が早期の場合は、その分回復も早く死亡率も下がっていきます。
 
 大切な命を落とさないためにも、湿疹やじんましんだからと言って放置はせず、紅班が皮膚に見られるようでしたらまずは皮膚科や内科で受診するようにしましょう。