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新しい表示制度の導入で、今、食品業界では様々な動きが!
すでに始まっていることから今後の予想まで、ホットなニュースをご紹介します。

地域の活性化にもなるか!? 自治体発信の“効く食品”

新表示導入に合わせ、自治体の動きも活発化。「自治体が企業や大学などと連携して、食品の機能性をテストする取り組みが全国で始まっています」(武田さん)。例えば愛知県蒲郡市では、カカオポリフェノールの健康効果を調べる大規模調査を実施。また、愛媛県は「食品の新機能性表示制度を活用する目的をもつ企業を支援する事業を始める」と発表し、参加する企業を募集しました。こうした動きは全国の自治体で見られ、今後、地域の活性化に役立ちそう。「埼玉県坂戸市では女子栄養大学と協力して長年、葉酸と認知症等との関わりを調査しています。こうした活動を活かすかたちで自治体発の“効く食品”が誕生する日も、そう遠くないかもしれません」(武田さん)。

低価格だけどちょっと不安…。アメリカのサプリ事情

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アメリカでは健康保険に入っていない人の割合が高く、医療費も高額なため、サプリを頻繁に摂る人が多いそう。「アメリカではサプリの価格競争が激しく、ドラッグストアでは300円程度から販売されています。しかしそれほど身近な存在であるにもかかわからず、法律は企業に有利にできていて、表示の根拠を審査する制度がありません。容器に書かれている表示が本当かどうかを一般の消費者が確認するのが難しいシステムなんです。ところが訴訟社会ゆえに、キャッチコピーの虚偽表示で訴訟は頻繁。日本ではアメリカのこうした事情も参考にして、今回の新表示制度を検討したそうです」(武田さん)。

異業種の参入や新たなCMで食品業界の活性化は必至

新しい表示制度の導入で、食品メーカー以外の企業が参入する可能性も。「健康食品・サプリメント市場は2兆円に迫る勢い。新制度の導入は大きなビジネスチャンスとなりますから、大手製薬会社はもちろん、化粧品会社や素材メーカーなども“効く食品”市場を狙って参戦してくるはずです」(小森さん)。また、通信販売やテレビショッピングで食品を販売するメーカーも、今までCMでNGだった『関節に!』などの言葉が使えるようになるため、かなり力を入れてきそう。“効く食品”市場が盛り上がることは必至のよう。

早い企業は昨年夏から準備。中小企業も年末から続々と

これまでトクホやサプリを販売してきた大手食品メーカーは、既に“効く食品”の開発に向けて動いている様子。「昨年の夏にはすでに、『新表示でも、トクホと同じくらい厳しい評価が必要だ』という情報がありました」(小森さん)。そこで、資金力のある大手企業の中には、トクホレベルの準備を開始するところも。「難関な審査をクリアする用意をしておけば、トクホにするか“効く食品”にするか、後で選ぶことができますから。昨年末からは、中小の食品メーカーも臨床試験を始めるところが増えています」(小森さん)。

【お話を伺った方】
武田猛(たけだ・たけし)さん
食品コンサルティング会社であるグローバルニュートリショングループ代表取締役。健康・機能性食品のエキスパートとして、国内外で多数のビジネスコンサルティングを行っている。

小森美加(こもり・よしか)さん
食品臨床試験受託会社であるケイ・エス・オー代表取締役。食品メーカー等から依頼を受け、トクホや一般食品などのヒト臨床試験を数多く行っている。日本臨床栄養協会評議員。

※本記事は、消費者庁による正式な機能性表示ガイドライン発表前の取材(2015年2月27日時点)に基づいて作成しています。正式なガイドラインとは一部異なる情報が含まれている可能性があります。