生活に困窮したときに、程度に応じて必要な保護が受けられる 生活保護

制度の概要

 厚生労働省のホームページにおいては、生活保護は「資産や能力をすべて活用してもなお生活に困窮する人に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度」と規定されています。世の中には、「生活保護は無職の人が受ける制度である」と勘違いしている人もいますが、例え仕事をしていても健康的に生活していくのに必要な金額を得られない人も生活保護の対象に含まれるのです。

手続きの流れ

 生活保護制度の利用を希望する人は、お住まいの地域を管轄している「福祉事務所」の生活保護担当にて手続きを行います。まず、生活保護制度の説明とともに生活福祉資金、各種社会保障施策などの活用について検討を行います。生活保護制度の利用を希望する場合には保護の決定のために、①生活状況の把握のための実地調査、②預貯金、保険、不動産等の資産調査、③扶養義務者による仕送り等の援助の可否の調査、④年金等の社会保障給付、就労収入等の調査、⑤就労の可能性の調査を行い、生活保護の必要性について認められれば生活保護を受けることができます。

受けられる保護の内容

 生活保護においては、日常的に支出するすべての金額が保証されるわけではなく、定められた支出内容について一定の金額が保障されます。生活保護制度で規定されている「生活を営む上で生じる費用」として規定されているのは、①日常生活に必要な費用(食費、被服費、光熱費等)、②アパート等の家賃、③義務教育を受けるために必要な学用品費、④医療サービスの費用、⑤介護サービスの費用、⑥出産費用、⑦就労に必要な技能の修得等にかかる費用、⑧葬祭費用です。医療費と介護費用については本人負担なしで直接医療機関や介護事業者に支払われ、それ以外に関しては定められた範囲を実費で支給されます。

必要書類と注意事項

 生活保護の相談や申請においては必要になる書類等はありませんが、申請後の調査において世帯の収入や資産の状況が分かる資料として、通帳のコピーや給与明細などを提出する必要があります。注意点として、制度の概要に則って利用できる資産や能力は生活のために活用する必要があります。具体的な例としては「自動車」で、障害を持っている人の通勤や通院等に利用する等の一定の要件がない限りは処分して生活費に充当する必要があります。また、就労に必要な能力を有している場合には生活の維持・向上のために終了に励まなければなりません(就労しても生活費に満たない場合には制度を利用できる)。その他、福祉事務所から指導や指示を受けた際には、これに従う義務があります。
 ドラマやドキュメンタリーを見ているとなかなか生活保護は受けられないというイメージがありますが、要件を満たしていれば誰にでも利用できる制度です。どうしても生活に困窮する場合にはきちんと申請をして、健康的な生活を維持しましょう。