瞳孔の後天異常<眼の病気>の症状の現れ方

 瞳孔散大筋の麻痺により、患眼は散瞳しにくくなるため、暗所で瞳孔不同が顕著になります(患眼が縮瞳)。上下の眼瞼を開くはたらきの瞼板筋(けんばんきん)(ミュラー筋)も同じく眼交感神経の支配を受けているため、軽度の眼瞼下垂と瞼裂(けんれつ)狭小を伴います(図59)。
 また交感神経は発汗を促すため、障害部位により顔面、首、半身の発汗障害を起こすことがあります。
 瞳孔括約筋の麻痺により縮瞳障害が起こるため、明所での瞳孔不同が顕著になります(患眼が散瞳)。明所での羞明(しゅうめい)感や、明るい部屋で鏡を見て瞳孔不同に気づくことが多いようです。瞳孔緊張症にアキレス腱や膝蓋腱反射(しつがいけんはんしゃ)の消失・減弱を伴うものをアディー(Adie)症候群といいます。
 瞳孔不同(瞳孔散大)以外に、眼瞼下垂、眼球運動障害による麻痺性斜視(しゃし)、両眼性複視(ふくし)(だぶって見える)を伴います(図61)。とくに頭痛を伴う場合は脳動脈瘤が原因である可能性が高く、破裂すると、致命的なくも膜下出血に至る危険がありますので、緊急に脳外科での検査と処置が必要です(未破裂脳動脈瘤)。

瞳孔の後天異常<眼の病気>の診断と治療の方法

 原疾患を検索し、原疾患の治療を行うことが大切です。とくに小児の場合は腫瘍など重篤な疾患を背景に発症することが多いため注意が必要です。また頸部(けいぶ)外傷後に疼痛(とうつう)を伴って発症する場合は内頸動脈解離が原因の可能性があり、緊急な対応が必要です。
 時間経過とともに瞳孔は縮小していくことが多く、とくに治療を必要としないことが多いのですが、羞明が強い場合は虹彩付きコンタクトレンズを処方することがあります。