気管支肺異形成症とはどんな病気か

 新生児で、生後1カ月を過ぎても酸素吸入を必要とするような呼吸困難症状があり、胸部X線検査で異常な陰影を示すものを「慢性肺疾患(まんせいはいしっかん)」と呼んでいます。原因などにより、いくつかのタイプに分類されています。そのなかで、呼吸窮迫症候群(こきゅうきゅうはくしょうこうぐん)の後に発症する慢性肺疾患を気管支肺異形成症と呼びますが、すべてのタイプをまとめて気管支肺異形成症と表現する場合もあります。

原因は何か

 ほとんどは早産児に発症します。つまり、肺の未熟性が最も大きな原因です。未熟な赤ちゃんでは、多くの場合、人工呼吸器や酸素による治療が必要となりますが、人工呼吸器で加えられる圧力や、酸素の毒性などによって、まだ未熟な肺胞や気管支の組織の障害が起こります。そのために分泌物も多くなり、無気肺(分泌物などで気管支が詰まり、肺胞がしぼんでしまうこと)が起こりやすくなります。無気肺となった部分のまわりの肺胞は逆に広がりすぎてしまい、肺内での空気の分布が均一ではなくなります。また、これらの刺激が加わることにより、肺胞の正常な発育が妨げられてしまいます。
 これらが原因となって、吸った空気と血液の間で、酸素と二酸化炭素の交換がうまくいかず、体内の酸素が不足したり、二酸化炭素がたまってしまいます。

症状の現れ方

 出生後数日から数週間くらいから、多呼吸、陥没呼吸(息を吸い込む時に肋骨の間や胸骨の下がへこむ呼吸)、チアノーゼなどの呼吸障害がゆっくりと進行してきます。胸部X線検査では、泡沫状陰影(ほうまつじょういんえい)、気腫状(きしゅじょう)陰影、索状(さくじょう)陰影などの異常所見が現れます。

治療の方法

 呼吸障害に対して、人工呼吸器による補助や酸素吸入が行われます。薬剤として、利尿薬、気管支拡張薬、ビタミン剤、マクロライド系抗生剤などが使用される場合があります。
 また、呼吸障害が急に悪化した場合や、人工呼吸器による治療が長期化しそうな場合に、ステロイドホルモンによる治療が行われることがあります。
 しかし、障害を受けた肺組織が治っていくのには時間がかかるため、どの治療を行っても急に改善するものではなく、長期的な管理が必要となります。肺組織の自己修復を促すために、栄養を強化することも非常に大切です。

予後について

 多くはゆっくりと治っていきます。軽い場合では数週間から数カ月で酸素や薬剤を中止できるようになります。重い場合では、退院後も在宅酸素療法が必要になることもありますが、その場合でも多くは1歳前までに治療を中止することができます。とくに程度が強い場合、呼吸不全や心不全で死亡することもありますが、頻度はまれです。
 呼吸障害が改善した後も、しばらくは気管支炎(きかんしえん)や肺炎(はいえん)、喘息(ぜんそく)にかかりやすくなったり、かかった場合に重症になることがあるので注意が必要です。