鎖肛とはどんな病気か

 正常な位置に肛門が開かず、直腸が盲端(もうたん)(端がふさがっている)になっている先天奇形で、直腸肛門奇形とも呼ばれます。直腸盲端部と排便機能上重要な恥骨直腸筋(ちこつちょくちょうきん)との位置関係により高位型、中間位型、低位型に大きく分けられます。特殊なものとして女児において尿道、腟、肛門がひとつになって開いてしまう総排泄腔(そうはいせつくう)があります。

原因は何か

 胎生初期の直腸肛門と泌尿生殖器の発育過程の異常により発生します。

症状の現れ方

 約10%の症例で出生前診断が行われています。出生後の体温(直腸温)測定の際に肛門がないことで気づかれる場合が最も多く、一方、瘻孔(ろうこう)がある場合には少量の胎便(たいべん)排泄があるために診断が遅れることもあります。症状は腹部膨満(ぼうまん)や嘔吐などの腸閉塞症状が現れます。
 約半数に合併奇形を認めます。

検査と診断

 診断は視診によって容易です。さまざまな位置に瘻孔が開く場合があり、瘻孔の確認を必ず行います。病型分類は治療方針を決定するうえでも重要で、生後12〜24時間後に倒立像X線撮影(子どもを倒立位にして側面像を撮影する)を行い診断します。瘻孔がある場合は、瘻孔からの造影検査も行われます。
 泌尿生殖器系の奇形を合併している場合も多く、注意が必要です。

治療の方法

 出生後は胃管を留置し、授乳を禁じて輸液を行います。治療は手術療法で、低位型は原則として新生児期に瘻孔切開術もしくは会陰式(えいんしき)肛門形成術を行います。中間位型、高位型では新生児期に人工肛門を造設し、生後6カ月以降に肛門形成術を行います。人工肛門の閉鎖は根治術の2〜3カ月後に行います。
 術後の排便機能は低位型では良好ですが、中間位型や高位型では便失禁や高度の便秘が問題になることがあります。

鎖肛に気づいたらどうする

 出生前診断で疑われた場合は、新生児外科治療の可能な施設での分娩が望まれます。出生後に診断された場合や、瘻孔がなく、胎便の排泄も認めない場合は、新生児外科施設への緊急搬送が必要です。