川崎病心血管後遺症とはどんな病気か

 川崎病の合併症として生じる、冠動脈の障害をいいます。冠動脈は大動脈の基部から心臓をおおうように走っている2〜3mm程度の動脈で、心臓の筋肉に酸素や栄養を供給していますが、川崎病にかかったあとで、この冠動脈に拡張やこぶが生じることがあります。巨大なこぶができると、血栓による急性心筋梗塞(しんきんこうそく)や狭窄(きょうさく)ができることによる心筋の虚血(きょけつ)が生じてくることがあります。

原因は何か

 川崎病は全身の血管に炎症が起こる原因不明の疾患ですが、とくに冠動脈に強い炎症が起こります。炎症により血管の壁の一部が破壊され、拡張やこぶができると考えられています。ごくまれですが、大きなこぶができるとそのなかの血液の流れが悪くなるため、血栓ができやすくなり、血栓によって冠動脈がふさがれ、急性心筋梗塞になることがあります。
 また大きなこぶの周辺では、月日がたつと内膜肥厚や石灰化などの変化が起こり、狭窄が生じてくることが知られています。高度の狭窄が生じると、その血管が血液を供給している心筋に十分な酸素や栄養を送ることができず、心筋の虚血が生じます。

症状の現れ方

 川崎病の患者の約30%に、発症10日後〜4週ころまでに拡張やこぶが認められます。多くは自然に消えてなくなりますが、全体の10%程度の人に冠動脈病変が残ります。通常こぶができても無症状ですが、そのなかの20%程度で狭窄や閉塞が生じます。

検査と診断

 川崎病発症後に、心臓エコー検査や心電図検査で冠動脈瘤(かんどうみゃくりゅう)や心筋虚血の有無を確認します。冠動脈瘤や心筋虚血は症状が消えてなくなったあとに現れてくることもあるので、退院後も定期的な検査が必要です。冠動脈の強い拡張や狭窄が疑われる場合は心臓カテーテル検査を行い、冠動脈全域にわたる形態の評価を行います。大きいこぶは年余の経過で狭窄ができやすいため、定期的な心臓カテーテル検査やシンチグラムなどによる検査が必要です。

治療の方法

 急性期にアスピリン、免疫グロブリンの大量投与療法を行うことで冠動脈病変の発生率を低下させられることが知られていますが、治療が行われていても、10%程度の人に冠動脈病変が残ります。
 冠動脈瘤が発生した場合、程度に応じて抗血小板薬、抗凝固薬(こうぎょうこやく)などによる治療が行われます。狭窄による心筋虚血のある場合には、冠動脈バイパス手術や、カテーテル治療が考慮されます。心筋梗塞が生じた場合は、血栓溶解療法などが行われます。

川崎病心血管後遺症に気づいたらどうする

 冠動脈に病変が発生した場合には、心筋虚血や心筋梗塞の危険がないかどうか、定期的な検査を受けることが大切です。冠動脈狭窄や血栓があり、胸痛、腹痛、顔色不良などの症状が現れた場合には、ただちに医療機関を受診してください。