胆道閉鎖症とはどんな病気か



 肝臓と十二指腸を結ぶ管(総胆管(そうたんかん)を含む肝外胆管(かんがいたんかん))が閉塞している病気(図20)です。肝臓で作られた胆汁(たんじゅう)が十二指腸へ排泄できなくなり、黄疸(おうだん)が長引き、便が灰白色になり、肝機能障害を示します。

原因は何か

 先天的発生異常説、レオウイルス3などによるウイルス感染説、膵胆管(すいたんかん)合流異常説、血行障害説、胆汁酸障害説、免疫異常説などが指摘されていますが、はっきりとした原因はいまだにわかっていません。

症状の現れ方

 正常な状態では、胆汁は肝臓で作られ、胆管を経由して胆嚢に貯蔵され、食物刺激などで十二指腸へ分泌されます。胆管から十二指腸へ排泄される胆汁が、肝外胆管の閉塞により肝臓内に滞(とどこお)ると、黄疸、灰白色便、濃褐色の尿、肝脾腫(かんひしゅ)、肝機能障害などを示し、さらに進行すると肝硬変(かんこうへん)となります。
 肝硬変へ進むと門脈圧亢進症(もんみゃくあつこうしんしょう)が起こり、食道静脈瘤(しょくどうじょうみゃくりゅう)や痔(ぢ)から出血してきます。胆汁中に含まれる胆汁酸は脂肪の吸収に必要ですが、胆汁の排泄障害が強いと脂肪吸収が障害され、脂溶性ビタミンの吸収も悪くなってビタミンK欠乏症を起こすほか、肝機能障害から血液凝固因子が作れなくなり、出血傾向が強くなります。
 また、著しい肝機能障害に陥ると、蛋白質の合成が低下し、腹水がたまって横隔膜(おうかくまく)を圧迫したり、肺内の血行障害が起こって呼吸障害が生じることもあります。その他、骨の発育不全、頭蓋内や消化管に出血を伴うこともあります。

検査と診断

 胆汁うっ滞が確認されたら、新生児肝炎など、ほかの疾患との区別を進めていきます。胆道閉鎖症の確定診断には、胆汁が腸管に排泄されていないことを確認する必要があります。そのために、利胆薬(りたんやく)を使用した状態で十二指腸液を採取したり、体に害のない放射性同位元素を用いた胆汁排泄検査(肝胆道排泄シンチグラフィ)などを行います。
 胆道閉鎖症は、症状が新生児肝炎より重症で、組織学的にも肝細胞の変性、肝細胞の巨細胞化のほか、葉間(ようかん)の線維化が起こって偽小葉(ぎしょうよう)が形成され、胆汁性肝硬変へと進んでいきます。

治療の方法

 胆道閉鎖症と診断されたら、早急に胆汁酸排泄を促して胆汁うっ滞を軽くし、肝細胞損傷の進行をくい止める目的で、肝門部空腸吻合術(くうちょうふんごうじゅつ)(葛西の手術)を行います。術後も胆汁排泄が認められないもの、上行性胆肝炎(じょうこうせいたんかんえん)を繰り返して肝障害が進行しているもの、腹水があるものなどに対しては、肝臓移植が適応になります。

胆道閉鎖症に気づいたらどうする

 黄疸と灰白色便が長引く場合は、すぐに小児科医に相談してください。胆道閉鎖症は、出生後8週間以内に手術することが大切で、8週間を過ぎると肝臓の線維化が進み、術後の胆汁排泄効果が悪くなります。