外鼠径ヘルニアとはどんな病気か

  • 小児での発症が最も多い病気です。
  • 小児の外科的疾患のなかでも最も多く、乳幼児期に発症します。

外鼠径ヘルニアの原因は何か

  • 腹膜鞘状突起(ふくまくしょうじょうとっき)の開存が原因です。
  • これがヘルニア嚢(のう)となり、なかに腸管、卵巣などが脱出(脱腸)します。
  • 正常発生の男児では胎生期精巣下降(たいせいきせいそうかこう)に伴い腹膜が精巣を取り囲み、精巣固有鞘膜(こゆうしょうまく)となります。
  • そのあと腹膜鞘状突起はなくなり、腹腔との連続が絶たれます。
  • 多くの場合は出生までに閉じられます。
  • 女児では子宮円靭帯(じんたい)が恥骨(ちこつ)に固定される際に腹膜鞘状突起が引き下ろされます。

発生頻度

  • 筆者の1287例の集計では、1歳未満が46%、1〜6歳未満が42%で、88%が乳幼児期の発症でした。
  • 男女比は2・2対1で男児に多く、左右では1・3対1と右に多くなっています。
  • ちなみに小児人口の約5%に発症します。

外鼠径ヘルニアの症状の現れ方

  • 患児の多くは、鼠径部が腫大したことから、父母や祖父母がヘルニア(脱腸)を疑い受診します。
  • 家族内の発生頻度が高く、遺伝性があります。
  • 視診、触診で確定診断ができます。
  • 乳児期の初発症状としては浅い眠り、いらだち、不機嫌などがあり、年長児は陰嚢(いんのう)、鼠径部の痛みを訴えることが多いので発見は容易です。

外鼠径ヘルニアの検査と診断

  • 鼠径部の膨隆(ぼうりゅう)が認められ、圧迫により還納し、シルク・サイン(ヘルニア嚢があればこすると絹布ずれ様の感触がある)が認められれば確定診断となります。
  • 膨隆がない場合は下腹部を圧迫あるいは立位にし、鼠径部に膨隆(パンピング・サイン)が認められれば診断されます。
  • 基本的にはシルク・サインを触診すれば本症と診断します。

外鼠径ヘルニアの治療方法

  • 確定診断がつき次第、全身麻酔下で手術をします。
  • 手術時間は約15〜20分間で、ヘルニア嚢を高位で二重結紮(けっさつ)し切除します。
  • 保存的治療は行いません。
  • 発症が3カ月齢以下では、手術待機中にヘルニア嵌頓(かんとん)(腸管がヘルニア嚢内に陥入し、腸管血行障害を起こす。
  • 放置すると壊死(えし)が起こる)を起こしやすいので注意します。
  • 合併症がなければ、予後は良好です。