乳児ビタミンK欠乏性出血症とはどんな病気か

 ビタミンK欠乏のため、生後1カ月ころに突然の頭蓋内(ずがいない)出血を起こします。

原因は何か

 ビタミンKは出血を止める凝固因子を作るために必要なビタミンで、これが欠乏すると出血しやすくなり、胃腸や皮下に出血しやすくなります。重症の場合、頭蓋内出血を起こします。
 赤ちゃんは6カ月ころまで凝固因子が少なく、さらに母乳中のビタミンKの含有量は少ないため、母乳栄養児で起こりやすくなります。しかし現在は、全国的に出生時、生後1週以内、1カ月健診時の計3回、ビタミンKの予防内服が行われており、母乳栄養児でも非常にまれになっています。
 先天性胆道閉鎖症(たんどうへいさしょう)などの肝胆道の異常や、長期の抗生剤投与などによりビタミンK欠乏になりやすいので、注意が必要です。

症状の現れ方

 生後半月から2カ月の間に起こりやすく、吐血や青あざがみられたり、頭蓋内出血の場合は突然に不機嫌、嘔吐、意識障害、けいれん、顔面蒼白などが起こります。

検査と診断

 頭部CTで頭蓋内出血を診断し、ヘパプラスチンテスト、トロンボテスト、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)などの血液凝固系の検査を行います。また、PIVKA‐IIの測定によりビタミンK欠乏の診断を行います。

治療の方法

 出血を止めるためにビタミンKの投与か、凝固因子の補充のために新鮮凍結血漿(けっしょう)を投与します。頭蓋内出血が多く脳を圧迫している状態の時は、可能であれば手術して血腫(けっしゅ)を除去します。出血量が多くショック状態になっている時は輸血を行い、そのほかに呼吸などの全身管理を行います。
 発症すると死亡や後遺症に至る重症な病気であるため、ビタミンKの内服による予防が重要です。肝・胆道の異常や長期の抗生剤投与などでビタミンKの欠乏が疑われる時は、追加のビタミンK投与が必要になります。