寄生虫症は線虫(せんちゅう)類、吸虫(きゅうちゅう)類、条虫(じょうちゅう)類などが、腸や肝臓、肺、皮下組織などに寄生する病気です。
 線虫類には蟯虫(ぎょうちゅう)、回虫(かいちゅう)、鉤虫(こうちゅう)があります。生活環境の改善に伴い、ほとんどみられなくなりましたが、蟯虫はまだ少なくありません。

蟯虫症(ぎょうちゅうしょう)

寄生虫症とはどんな病気か

 蟯虫が腸に寄生する病気で、寄生虫症のなかで最も多く、学童、幼児に多くみられます。

原因は何か

 蟯虫が肛門付近に産卵する時にかゆみを伴うため、かいた手に虫卵が付着します。その虫卵の付いた手で周囲の物に触ることで、環境に付着し、そこから他の人の口へ入って感染します。

症状の現れ方

 肛門のかゆみ、肛門周囲の皮疹がみられます。かゆみのために不眠などの症状が現れることもあります。

検査と診断

 朝、排便前にセロファンテープを肛門に付けて虫卵の有無をみます。

治療の方法

 家族全員がコンバントリンを内服する必要があります。環境を介して経口感染するため、家族も蟯虫症の可能性があり、家族全員の治療を行わないと再発することがあります。

鉤虫症(こうちゅうしょう)、回虫症(かいちゅうしょう)

寄生虫症とはどんな病気か

 回虫、鉤虫が腸に寄生する病気です。
 虫卵の入った便が混じった土(人糞(じんぷん)肥料など)のなかで幼虫がかえり、それが経口的に感染します。現在はほとんどみられなくなりました。

症状の現れ方

 鉤虫症の症状としては、腹痛、頭痛、貧血がみられます。回虫症では、幼虫が肺に入って肺炎を起こしたり、胆道に入って黄疸(おうだん)を引き起こしたりすることがあります。

検査と診断

 便中の虫卵の有無を確認します。

治療の方法

 コンバントリンを内服します。

条虫症(じょうちゅうしょう)

寄生虫症とはどんな病気か

 条虫(俗にサナダムシと呼ばれる)が腸に寄生する病気です。主に広節裂頭(こうせつれっとう)条虫と無鉤(むこう)条虫があります。

原因は何か

 マスや牛肉の生食で虫卵、幼虫が経口的に感染します。

症状の現れ方

 いずれも腹痛などの症状が出ることがありますが、無症状の場合が多いようです。
 広節裂頭条虫は体長数mに及び、長い虫体が肛門から出てくることで気づきます。無鉤条虫は便中で動く虫体を見つけることで気づきます。

検査と診断

 便中の虫卵の有無を確認します。

治療の方法

 ビチオノールかアミノサイジンを内服します。さらに下剤をのみ、排便とともに虫体を排出することで治ります。虫の頭部が排出できないと、再び腸内で成長し、治りません。