慢性腎臓病(CKD)<子どもの病気>の症状の現れ方

 小児の慢性糸球体腎炎の多くは3歳児検診や学校検尿などで、何の症状もなく発見されます。この段階ではほとんどの場合はCKDの病期ステージはIで、腎機能の低下はみられません。かぜにかかった際に急性糸球体腎炎と同様の褐色(かっしょく)調の血尿、浮腫(ふしゅ)(むくみ)、高血圧などの症状がみられる場合があり、このような肉眼的血尿で発見される場合もあります。
 進行にしたがって蛋白尿が増加し、やがて腎機能が低下します。腎機能障害が進行すると、高血圧、浮腫、貧血(ひんけつ)さらに成長障害などの腎不全による諸症状がみられるようになります。
 また、紫斑病(しはんびょう)や膠原病(こうげんびょう)などの全身疾患に合併する慢性糸球体腎炎もあります(紫斑病性腎炎ループス腎炎など)。
 一方、先天性の異常は、出生前後に超音波検査で発見される場合や、乳幼児では体重が増加しない、多尿、尿路感染症を繰り返すことなどの症状から発見される場合があります。また、まれですが、学校検尿で尿所見の異常や腎機能障害が発見される場合もあります。

慢性腎臓病(CKD)<子どもの病気>の診断と治療の方法

 小児では学校検尿で早期に病気が発見される場合が多く、CKDのステージが軽い段階で治療が開始されます。CKDのステージが軽い段階では運動や食事の制限はありませんが、血尿や蛋白尿が強い時期や特別な治療薬を内服している場合には、激しい運動をひかえる必要があります。また、肥満や高血圧慢性糸球体腎炎の進行を早めます。むしろ適度な運動や塩分をひかえた食生活が大切です。
 CKDのステージが進行すると、高血圧やむくみ、電解質(でんかいしつ)異常、貧血などによる症状が出現する場合があり、これらの症状、検査所見に合わせて降圧薬などの内服や運動・食事制限が必要になります。
 腎生検で慢性糸球体腎炎と診断された場合には、重症度や症状の強さに応じて治療を行います。炎症所見が強い場合には、ステロイド薬や免疫抑制薬に加えて抗凝固薬や抗血小板薬など種々の薬を併用して治療を行います。症状や組織所見が軽い場合には、高血圧薬と抗血小板薬のみの内服で治療を行う場合もあります。
 慢性糸球体腎炎は、無治療で放置した場合には、約20年かけて30%くらいの方が末期の腎不全に進行するといわれていますが、現在は治療薬や治療法も進歩しているので、しっかりと治療を行えば病気を治すことができます。薬の内服を忘れないことや、3度の食事などの規則正しい生活を心がけることが大切です。
 尿管狭窄(きょうさく)による水腎症や膀胱尿管逆流症(ぼうこうにょうかんぎゃくりゅうしょう)が原因のCKDは、腎機能障害の進行を予防するために手術が必要になる場合があります。