白血病とはどんな病気か

 血液細胞は大きく分けると赤血球、白血球、血小板の3種類の細胞から成り立っています。これらの血球成分は骨髄(こつずい)と呼ばれる骨の内部のスポンジ状の部分で造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)が分化・増殖することにより作られます。白血病は血液のがんともいわれ、造血幹細胞が各血液細胞に分化していくいずれかの段階でがん化して無制限に増殖する疾患です。
 小児がんのなかで約30〜40%と最も頻度が高く、急性リンパ性白血病(ALL)が75%、急性骨髄性白血病(AML)が20%と、小児の白血病のほとんどが急性白血病です。

原因は何か

 原因は不明ですが、放射線被曝(ひばく)やある種の染色体異常や免疫不全症がある場合に発症頻度が高いことが知られています。小児ALLの約80%、AMLの約70%に染色体の異常がみられ、病型や予後との関わりが明らかになってきました。

症状の現れ方

 白血病細胞が骨髄で増殖するため、正常な赤血球、白血球、血小板の産生を抑え、貧血、感染症や出血傾向などの症状が現れます。また白血病細胞がいろいろな臓器に浸潤するため、肝脾腫(かんぴしゅ)、リンパ節の腫大、骨痛、歯肉の腫脹(しゅちょう)などがみられることがあります。

検査と診断

 まず血液検査で血球数と白血球分画を調べます。末梢血中に白血病細胞が認められる場合も多く、診断への手がかりになります。
 診断のためには骨髄検査が必須で、骨髄細胞をメイ・ギムザ染色やその他の特殊染色で染色し、顕微鏡で細胞の性質を検討します。また細胞表面マーカーや染色体検査を行うことにより、白血病の病型の確定と予後の推測を行います。

治療の方法



 急性白血病の治療の目標は、体内から1個残らず白血病細胞を根絶させることです。抗がん薬の投与(化学療法)が治療の中心になり、有効性が明らかにされている複数の薬剤を併用して用います(表16)。


 まず寛解(かんかい)導入療法を行い、完全寛解(骨髄中の白血病細胞が5%以下で末梢血液が正常化し、白血病による症状が認められない)という状態にすることを目標にします。しかし、完全寛解になっても発症時に体内にあった10の12乗個の白血病細胞が10の9乗個程度に減少したにすぎず、ここで治療を終了すると再発してしまいます(図39)。このためALLでは引き続き地固め、中枢神経再発予防、強化、維持療法と呼ばれる治療を約2〜3年行います。AMLでは強化療法を5〜6回行います。
 ALLでフィラデルフィア染色体陽性例、診断時の白血球数高値や、乳児・年長児で寛解導入療法に反応しない場合、AMLで予後不良と考えられる染色体異常がみられる場合などでは、造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)移植が行われます。

白血病に気づいたらどうする

 白血病の治療は化学療法が中心ですが、治療による骨髄抑制下での感染症の治療、抗がん薬の副作用対策などの補助療法が重要です。化学療法の経験が十分にある施設で治療を行うことが望まれます。日本では現在3つの小児白血病治療グループがあり、よりよい治療法を確立するための治療研究が行われています。