ウィルソン病(先天性銅代謝異常症)とはどんな病気か

  • 銅は体内のあらゆる組織に存在し、重要な役割を果たしています。
  • しかし、異常に蓄積すると有害な作用を示します。
  • ウィルソン病では、銅を輸送する蛋白(ATP7B)の遺伝子異常により胆汁中への排泄が障害され、体内とくに肝、脳、腎に銅が蓄積し、それぞれの機能が障害されます。

ウィルソン病(先天性銅代謝異常症)の原因は何か

  • 銅を輸送する蛋白(ATP7B)の遺伝子異常が原因で、常染色体劣性遺伝(じょうせんしょくたいれっせいいでん)する病気です。

ウィルソン病(先天性銅代謝異常症)の症状の現れ方

  • 一般的には、5歳以降に肝機能障害を起こします。
  • 気づいた時にはすでに肝硬変(かんこうへん)を起こしていることが多いのですが、検査で異常が検出されてもほとんど自覚症状はありません。
  • 病気が進行し、はじめて全身倦怠感(けんたいかん)、黄疸(おうだん)、肝腫大(はれて大きくなる)、腹水貯留(ふくすいちょりゅう)(たまる)などが現れます。
  • 肝機能障害が潜行し、劇症肝炎(げきしょうかんえん)や溶血(ようけつ)発作で気づくこともあります。
  • 10歳以降に、脳が障害され、ろれつが回らない、手の震え、書字の乱れ、不随意(ふずいい)運動(意思とは無関係な体の動き)、歩行障害などが現れます。
  • 腎臓も障害され、血尿なども認められます。

ウィルソン病(先天性銅代謝異常症)の検査と診断

  • 肝機能障害、とくにコリンエステラーゼの低下や凝固能の低下など肝硬変を示す異常がみられます。
  • 特異的な徴候として、血中セルロプラスミンや銅の濃度が低く、銅の尿中排泄が増え、肝における銅の蓄積が確認されます。
  • 病初期には認められませんが、銅は角膜にも沈着し、カイザー・フライシャー輪が認められます。

ウィルソン病(先天性銅代謝異常症)の治療方法

  • 銅の排泄を促すために、食間にキレート剤(ペニシラミン、トリエン)を経口投与します。
  • また、銅の吸収を抑えるために、銅の含有の少ない食事をすすめ、また食後に亜鉛(あえん)を投与します。
  • 重度の肝硬変劇症肝炎を生じた場合には、肝移植療法も有効な治療法として選択されます。

ウィルソン病(先天性銅代謝異常症)に気づいたらどうする

ウィルソン病(先天性銅代謝異常症)

ウィルソン病とは常染色体劣性遺伝で遺伝する胆汁中への銅排泄障害による先天性銅過剰症です。ウィルソン病は銅の代謝障害によって肝臓や脳に銅の蓄積が起こるために肝硬変(かんこうへん)になったり、脳の障害によって両手を羽ばたくような振戦(しんせん)が起こったり、バランスがとれなくなったり、あるいは筋肉の緊張が高まって手足が固くなる(固縮)などの症状が出る病気です。 血液中には銅を運搬するセルロプラスミンという蛋白質がありますが、ウィルソン病ではこれが低下して銅を運ぶ機能が弱まって、肝や脳に銅が沈着して障害が起こります。