先天性ビリルビン代謝異常症(クリグラー・ナジャール症候群)とはどんな病気か

 ビリルビンは、主に老化した赤血球のヘモグロビンから生成されます。血液中ではアルブミンと結合し、肝臓に運ばれグルクロン酸抱合(ほうごう)を受けて解毒され、胆汁中に排泄されます。グルクロン酸抱合を受けていないビリルビンを間接ビリルビン、グルクロン酸抱合を受けたビリルビンを直接ビリルビンと呼びます。
 クリグラー・ナジャール症候群は、ビリルビンのグルクロン酸抱合酵素の異常により、間接ビリルビンが体内にたまる病気です。

原因は何か

 ビリルビンのグルクロン酸抱合酵素の遺伝子異常による常染色体劣性遺伝(じょうせんしょくたいれっせいいでん)の病気です。クリグラー・ナジャール症候群には、重症なI型とより軽症なII型があり、I型では酵素活性が完全に欠けており、II型では正常の10%程度に低下しています。

症状の現れ方

 日本人の多くは、正常の場合でも新生時期には新生児黄疸(おうだん)といって皮膚や眼球結膜にビリルビンが沈着して黄染(おうせん)します。クリグラー・ナジャール症候群I型では新生児黄疸が強く、放置すれば脳に沈着し障害を来します。核黄疸(かくおうだん)もしくはビリルビン脳症と呼ばれる状態になり、嘔吐、四肢の硬直、けいれんなどが現れて死亡したり、回復しても四肢麻痺(ししまひ)、聾(ろう)、知能障害を残します。ビリルビンの便中排泄は減少していますが、便の色は正常から淡黄色を示します。
 II型では、黄疸が新生児期から持続したり、1歳以降に現れます。便の色調は正常です。

検査と診断

 血清関接ビリルビン値の上昇および胆汁中のグルクロン酸抱合ビリルビンの低値により診断されます。また、フェノバルビタールを投与すると、II型ではビリルビンが低下し、I型との見分けに有効です。最近では、遺伝子診断を専門施設に依頼することも行われています。

治療の方法

 I型では、核黄疸を避けるのが目標です。間接ビリルビンを下げるために、光線療法を行ったり、ビリルビン合成を抑えるための薬剤、便への排泄を促すための薬剤を投与します。しかし、成長とともにこれらの治療効果が低下し、最終的には肝移植療法が必要になります。II型では、フェノバルビタールの投与が有効です。

先天性ビリルビン代謝異常症(クリグラー・ナジャール症候群)に気づいたらどうする

 新生時期には小児科医に、以降は肝疾患の専門医か先天性代謝異常症を専門とする医師による診察がすすめられます。