単純性肥満とはどんな病気か

 体脂肪が異常に蓄積した状態を肥満といいます。その原因として、ホルモンや生まれつきの異常などの特別な理由がなく、食事で摂取したエネルギーが、消費するエネルギー(基礎代謝、運動、成長)よりも多いために起きた状態を単純性肥満といいます。単に「肥満」という場合は、単純性肥満を指します。それに対して、何らかの疾病が原因で肥満した場合を症候性肥満(しょうこうせいひまん)といいます。
 肥満の判定には、肥満度を用います。肥満度とは標準体重よりも何%重いかを表した指標で、(実測体重‐標準体重)÷標準体重×100(%)の式で算出します。標準体重は、性別、年齢別に身長から計算されます。肥満度+20%以上を肥満と判定します。現在の小中学生の約10%は肥満で、最近30年間で約3倍に増加しました。

原因は何か

 生活習慣と体質ですが、生活習慣が重要です。高度経済成長により(1)体を動かすこともできないし、動かす必要もない(運動不足)、(2)いつでも、どこでも、誰でもものを食べることができる(食生活の乱れ)、好きなものを、好きな時に、好きなだけ食べることができる(過食、摂取栄養素の偏り)、(3)夜型の生活習慣、夜食の習慣、朝寝坊(生活リズムの乱れ)。(4)ストレスが多い、という生活が多くなったためです。

症状の現れ方

 肥満のなかで、医学的に問題がある場合を「肥満症(ひまんしよう)」といいます。医学的問題とは、内臓脂肪蓄積(ないぞうしぼうちくせき)(腹囲80cm以上)、糖尿病脂質異常症(ししついじょうしょう)、高血圧、肝機能障害、高尿酸血症(こうにょうさんけっしょう)、睡眠時無呼吸、運動ができない、皮膚の変化(皮膚線状や黒色表皮症)、心理社会的問題(不登校、いじめなど)等です。
 また、腹囲80cm以上(小学生75cm)であり、(1)空腹時血糖100mgdl以上、(2)血圧12570mmHg以上、(3)中性脂肪120mgdl以上あるいはHDLコレステロール40mgdl未満、のうち2項目を満たせば、小児のメタボリックシンドロームと診断します。
 子どもの肥満は、成人と同様に、糖尿病動脈硬化の危険因子です。さらに、子どもに特徴的なことは、(1)心理社会的問題、(2)身長が早く止まる傾向がある、(3)次世代も肥満になる傾向があることです。子どもの肥満は、大人の肥満よりもより多くの問題を抱えています。

治療の方法

 肥満症やメタボリックシンドロームの場合は治療が必要です。食事、運動、遊び、生活リズムを見直します。食事は、お米を中心にした和食にしましょう。テレビゲームを減らし、外遊びをしましょう。
 最初の目標は、体重増加に歯止めをかけることです。毎日体重を測定し、体重が増加しないように食事に気をつけると効果的です。日常生活の見直しには、家族の協力とがんばったことへの賞賛が必要です。あせらず継続することが重要です。

単純性肥満に気づいたらどうする

 成長曲線を作成し、最近の身長、体重の変化を確認しましょう。また、腹囲身長比0・5以上場合は要注意です。気づいた時から毎日の体重測定を開始しましょう。