伝染性紅斑(リンゴ病)とはどんな病気か
- 両方の頬に紅斑(リンゴのようにみえる)ができることを特徴とする学童期の急性ウイルス性疾患です。
伝染性紅斑(リンゴ病)の原因は何か
- ヒトパルボウイルスB19という小さなウイルスが原因です。
- 学童期(6〜12歳)にかかることが多く、冬から春にかけて、施設、学校で流行性に発生します。
- 経気道感染といわれ、発疹が現れた時には伝染力はないといわれています。
伝染性紅斑(リンゴ病)の症状の現れ方

- 16〜17日の潜伏期のあと、頬部に紅い斑状丘疹(はんじょうきゅうしん)が現れます。
- 発疹は融合し、両頬は平手打ち様、リンゴ様のびまん性(広がりのある)紅斑になり、ちょうど蝶が羽を広げたように見えます(図49)。
- 1〜2日後から上肢、大腿の順に紅斑が現れ、発疹の中央が退色して大理石紋様、レースのような編み目状あるいは地図状皮疹になります。
- 発疹はかゆみを伴い、日光、温熱により再び現れることがあります。
- 2〜3週の経過で治ります。
- 慢性溶血性(ようけつせい)貧血の患児では、本症により骨髄無形成発作(こつずいむけいせいほっさ)を起こすことがあります。
- 妊婦がかかった場合では、胎児が感染し、胎児水腫(たいじすいしゅ)を起こして妊娠の継続が困難になることがあります。
伝染性紅斑(リンゴ病)の検査と診断
- 末梢血白血球数が減少傾向になり、網状赤血球も減少し、消失します。
- 診断は通常、流行状況、学童の感染が多いこと、顔面の蝶形紅斑などが認められれば困難ではなく、検査をすることはありません。
- 多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)、じんま疹、薬疹など、斑状丘疹性疾患との区別を要することがあります。
伝染性紅斑(リンゴ病)の治療方法
- この原因ウイルスの特効薬はありません。
- 必要に応じて対症療法を行いますが、予後は良好です。
伝染性紅斑(リンゴ病)に気づいたらどうする
- 発疹が現れた時にはウイルス排出はなく、伝染力はありませんが、発疹が消えてから登校したほうがよいでしょう。
- 予防法はありません。
伝染性紅斑(リンゴ病)
伝染性紅斑(リンゴ病)とは、両方の頬に紅斑(リンゴのようにみえる)ができることを特徴とする学童期の急性ウイルス性疾患です。 ヒトパルボウイルスB19という小さなウイルスが原因です。学童期(6〜12歳)にかかることが多く、冬から春にかけて、施設、学校で流行性に発生します。経気道感染といわれ、発疹が現れた時には伝染力はないといわれています。
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