伝染性単核球症とはどんな病気か

  • 発熱、咽頭(いんとう)・扁桃炎(へんとうえん)、頸部(けいぶ)リンパ節(せつ)や肝臓・脾臓がはれる病気で、異型リンパ球と呼ばれるリンパ球の増多と肝機能障害などがみられます。

伝染性単核球症の原因は何か

  • EBウイルスというヘルペスウイルスの仲間の感染症で、キスなどで唾液を介して直接あるいは飛沫感染します。
  • ウイルスが体のなかに侵入してから発病するまでの潜伏期間は長く6〜8週間です。
  • 乳幼児では同じ仲間のサイトメガロウイルスが原因になることが多いようです。
  • EBウイルスやサイトメガロウイルスにかかったことのある人は終生ウイルスが体内に潜伏し、唾液のなかにウイルスを排泄しています。

伝染性単核球症の症状の現れ方

表18 伝染性単核球症の症状
  • 突然、38℃以上の高熱が現れ、1〜2週間持続することが多いです。
  • 化膿性扁桃炎、咽頭痛、イチゴ舌(ぜつ)などがみられます。
  • 頸部リンパ節、肝臓、脾臓がはれ、眼瞼浮腫(がんけんふしゅ)(上まぶたのはれ)もよくみられます(表18)。
  • のどの痛み、肝機能障害などにより食欲が低下したり、重症例では発熱が1カ月以上続くこともあります。
  • 肝機能障害は軽度〜中等度ですが、発熱第2週にピークになることが多いので、必ず2回以上の検査を受けてください。

伝染性単核球症の検査と診断

  • 診断には血液検査、肝機能検査、EBウイルス、サイトメガロウイルス抗体検査が必要です。
  • 白血球数の増加(15000μl以上が多い)、リンパ球・異型リンパ球の増加10%以上は診断上重要です。
  • 肝機能検査のALT、AST値はほとんどの例で300〜400IUl以下です。
  • 原因ウイルスの診断には特異的IgM抗体の検出が重要ですが、乳幼児では陰性の例が多く、急性期と回復期の2回以上の血液検査が必要になります。
  • 類似の扁桃炎を起こす病気にはA群β(ベータ)溶連菌(化膿性連鎖球菌(かのうせいれんさきゅうきん))、プール熱の原因であるアデノウイルスによる扁桃炎があります。
  • リンパ節、肝臓、脾臓がはれる病気には急性リンパ性白血病悪性リンパ腫風疹(ふうしん)、A型肝炎などがあり、とくに急性リンパ性白血病の白血病細胞は、異型リンパ球と区別されなければなりません。

伝染性単核球症の治療方法

  • 自然に治る傾向の強い予後良好な疾患なので、一般的には対症療法で十分です。
  • サイトメガロウイルスによる重症例には抗ウイルス薬を使用することもあります。
  • アンピシリンはアレルギーを起こしやすいので使用されません。

伝染性単核球症に気づいたらどうする

  • 普通のかぜにしては変だと感じたら、必ず昼間の診察時間に病院を受診してください。
  • 子どもの病気は、どの病気であっても最初は小児科を受診するのがよいでしょう。
  • 感染力は弱く、多くの人が無症状でウイルスを排泄しているので、熱が下がり、子どもが元気であれば保育園や学校に行かせてもかまいません。
伝染性単核球症

伝染性単核球症は、米国では「キス病」とも呼ばれている急性感染症です。 原因はエプスタイン・バー・ウイルス(EBウイルス)の感染で、主に唾液を介して感染します。感染する時期(年齢)によって症状の現れ方が異なります。