単純性甲状腺腫とはどんな病気か

 単純性甲状腺腫という病名は欧米の医学書にはあまり載っていません。日本では、甲状腺機能が正常で炎症や腫瘍などによらない、びまん性の甲状腺腫で、現在までに原因の明らかでないものを単純性甲状腺腫と呼んでいます。

原因は何か

 何らかの原因によって生体に必要な甲状腺ホルモンの不足状態が生じ、甲状腺が代償性に(補うために)肥大した状態と考えられます。思春期の甲状腺ホルモン需要の増大、地域的なヨード欠乏、ヨード過剰摂取、甲状腺ホルモン合成酵素の軽度の障害、甲状腺腫大を来す薬物の内服、などが考えられます。

症状の現れ方

 前頸部(ぜんけいぶ)の腫大が認められます。

検査と診断

 橋本病バセドウ病などとの区別のために血液検査を行う必要があります。単純性甲状腺腫では、甲状腺ホルモン値は正常であり、抗甲状腺自己抗体は陰性です。結節性の区別のために超音波検査を行います。

治療の方法

 原則として治療する必要はありません。ヨードの過剰摂取や甲状腺の腫大を来す薬物の内服がある場合は、それを是正します。甲状腺腫の大きいものは、その縮小を目的として、甲状腺ホルモン薬のレボチロキシンナトリウム(チラーヂンS錠、散)の内服を試みることもあります。

単純性甲状腺腫に気づいたらどうする

 内分泌疾患の専門外来をもつ小児科を受診します。

関連項目

 先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)慢性甲状腺炎(橋本病)甲状腺機能亢進症(バセドウ病)