特発性副甲状腺機能低下症とはどんな病気か

 副甲状腺ホルモン(PTH)の生成の低下のために低カルシウム血症、高リン血症を来すものです。

原因は何か

 特発性とは原因不明を意味しますが、近年研究が進み、以前では不明だったいくつかの原因が明らかになりました。
 (1)免疫異常(HAM症候群、AIRE遺伝子異常)、(2)奇形症候群に伴う副甲状腺の臓器発生の異常(感音性難聴(かんおんせいなんちょう)・腎奇形を伴うもの、心奇形・顔貌(がんぼう)異常を伴うものなど)、(3)カルシウム感受性の異常(カルシウム感知受容体異常、原発性低マグネシウム血症)、(4)PTHの異常などです。
 原因が明らかになったものは特発性から除外され、原因不明のもの(自己免疫疾患に合併するものを含む)が特発性と呼ばれます。

症状の現れ方

 低カルシウム血症の症状として、しびれ感、テタニー(手指の不随意な筋収縮)、けいれん(すべての形)、喉頭けいれん・気管支けいれん、歯牙(しが)発育障害などがあります。低カルシウム血症との関連は必ずしも明らかではありませんが、しばしば認められるものとして、脱毛、皮膚の白斑、カンジダ症、心奇形、顔貌異常、感音性難聴O脚X脚などがあります。

検査と診断

 血液検査で低カルシウム血症(血清補正値8・5mgdl未満、高リン血症(4・5mgdl以上)があり、インタクトPTHが30pgml以下なら特発性が考えられ、30pgml以上なら偽性(ぎせい)が疑われます。確定診断にはエルスワース・ハワード試験を行います。
 低カルシウム血症の検査所見としては、クボステック徴候(顎(がく)関節部を叩いた時の口輪筋の収縮)、トルーソー徴候(上腕部緊縛(きんばく)による助産婦手位:手関節屈曲、母指内転、中手関節屈曲と指の伸展)、心電図異常(QT延長、AVブロック)、大脳基底核(きていかく)石灰化などがあります。

検査と診断

 テタニーやけいれんを起こしている時には、カルシウム製剤(カルチコール)を静脈注射により投与します。明らかな症状がなければ、活性型ビタミンD製剤のアルファカルシドール(アルファロール、1〜4μm日)やカルシトリオール(ロカルトロール、0・5〜2μm日)の内服を行います。活性型ビタミンDにより高カルシウム尿症による尿路結石を来しやすいので、尿中カルシウムクレアチニン比の定期的検査が必要です。

特発性副甲状腺機能低下症に気づいたらどうする

 内分泌疾患の専門外来をもつ小児科を受診します。

関連項目

 偽性副甲状腺機能低下症