急性副腎不全とはどんな病気か

  • 副腎(腎臓の上部にある)は皮質と髄質(ずいしつ)に分かれ、それぞれホルモンを分泌している、小さいけれども重要な臓器です。
  • 副腎皮質では、(1)糖質コルチコイド(抗ストレスホルモン)、(2)鉱質コルチコイド(電解質を調節するホルモン)、(3)男性ホルモン(男女とも)の3種のステロイドホルモンがつくられます。
  • 副腎不全とは、とくに糖質コルチコイド(コルチゾール〈ヒドロコルチゾン〉)の分泌が低下することにより重い症状を示す病気です。
  • 糖質コルチコイドは体に各種の負担(たとえば発熱、手術、精神的苦痛など)がかかった時、それに耐えるために必要であり、生命の維持に必須なホルモンです。
  • 抗ストレスホルモンとも呼ばれますが、一般には単にステロイドと称されています。
  • 糖質コルチコイドは薬として炎症、免疫反応を抑える作用などがあるため、多くの病気の治療に使われて効果をあげています。

急性副腎不全の原因は何か

  • 最も多いのはステロイド薬(糖質コルチコイド)ののみ薬や注射(軟膏や点眼薬は含みません)を半月から1カ月以上続け、急に中止した場合です。
  • ステロイド薬が投与されると、副腎が自らホルモンを作ることをやめてしまうためです。
  • ステロイド薬による治療が終わったら、急にやめるのではなく、医師の指示どおりに徐々に薬の量を減らしていく必要があります。

急性副腎不全の症状の現れ方

  • 急性副腎不全の症状は、元気がなく気分不快で、吐き気、嘔吐、頭痛などがみられます。
  • 治療をせずに放置すればけいれんや意識障害なども起こり、生命の維持が困難になります。

急性副腎不全の治療方法と予防

  • 副腎不全が生じたら、ステロイド薬を用いないと治療することはできません。
  • ステロイド薬を投与することにより、症状はすみやかに改善します。
  • 何らかの病気のため以前にステロイド薬で治療した場合、発熱や過労などは副腎不全の引き金(負荷、ストレス)になります。
  • とくに中止して間もない時期はより注意が必要です。
  • 投与量にもよりますが、数カ月が経過すれば副腎皮質が次第に回復するので、その危険性は少なくなります。
急性副腎不全(副腎クリーゼ)

副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモンは、糖分の代謝や水分・電解質(酸・塩基など)のバランスに関わり、ストレスに対抗して体のはたらきを調節する重要なホルモンです。健康な人は、常に体の状態に合わせて適切に分泌されていますが、何らかの原因でこのホルモンの分泌が急激に不足するようになると、急性副腎不全(副腎クリーゼ)の状態になります。治療が遅れると、生命を脅かすこともある重篤な状態です。