乳児突然死症候群とはどんな病気か

 乳児突然死症候群(SIDS)は、「それまでの健康状態および既往歴からその死亡が予想できず、しかも死亡状況調査および解剖検査によってもその原因が同定されない、原則として1歳未満の児に突然の死をもたらした症候群」(厚労省研究班、2005年)とされています。

原因は何か

 原因はまだ不明です。睡眠に随伴した覚醒(かくせい)反応の低下を含めた脳機能の異常、閉塞性の無呼吸、先天性代謝異常(たいしゃいじょう)症、感染症、慢性の低酸素症の存在などがその発症に関係している可能性が考えられています。
 危険因子に関しては妊婦や養育者の喫煙、非母乳保育、うつぶせ寝、低出生体重児などがあげられています。最近、暖めすぎによるうつ熱も危険因子と考えられるようになっています。

症状の現れ方

 SIDSは主として睡眠時に発症し、日本での発症頻度はおよそ出生4000人に1人と推定され、生後2〜6カ月に多く、約80%を占めます。まれに1歳以上で発症することがあります。発症頻度の男女差はほとんどないといわれています。例年、日本の乳児死亡原因の第2〜3位を占めています。

検査と診断

 診断には解剖検査が必要で、心疾患(不整脈、先天性心奇形、心筋炎)、感染症、代謝異常症などの疾患や、窒息、児童虐待(ぎゃくたい)などがないことを証明する必要があります。

治療の方法

 根本的治療は明らかになっていないため、前記の危険因子を減らすことが重要です。睡眠時無呼吸監視装置による予防効果は不確定です。
 一方、突発性緊急事態(ALTE)とは「それまでの健康状態および既往歴からその発症が予想できず、しかも児が死亡するのではないかと観察者に思わしめるような無呼吸、チアノーゼ、顔面蒼白、筋緊張低下、呼吸窮迫などのエピソードで、その回復に強い刺激や蘇生を要したもののうち原因が不明のもの」です。ALTEがSIDSの軽症型なのかどうかはまだわかっていません。

乳児突然死症候群に気づいたらどうする

 ALTEとSIDSの区別は困難であるため、心肺停止に気づいたらただちに心肺蘇生法を試みるとともに、119番通報を行ってください。
 SIDSが発生した場合は必ず解剖検査(病理解剖、司法解剖)を行い、発生の状況を詳しく観察し、本症が他の疾患や事故ではないことを証明しなければなりません。