被虐待児症候群<子どもの病気>の症状の現れ方

 外傷は、乱暴による直接の外力や、その時に倒れたりぶつかったりしたために起こります。それほど力を込めたつもりはなくても、子どもの体は脆弱(ぜいじゃく)で、重い外傷を及ぼします。発育障害は栄養不足によることが多いのですが、ストレスのための成長ホルモン分泌不全によることもあります。
 発達の遅れや学習能力の低下は、発達刺激が不適切なためや、ストレスのために学習に集中できないことが原因になります。心身症(しんしんしょう)や情緒行動問題は、恐怖心や不安や慢性ストレスによって生じます。
 死亡に至ることもまれではなく、とくに乳児では高率になっています。最多の死因は頭蓋の外傷です。乳児を強く揺すると、首の筋が弱いために頭部が前後左右に揺れ、頭蓋内の血管が切れて出血が起き(乳幼児揺さぶられ症候群)、死に至ります。死には至らなくても、脳性麻痺(のうせいまひ)や知的障害、視力障害を残します。
 他の死因は、腹部を蹴ったり踏んだりして起こる内臓の破裂、首をしめたり水に沈めることによる窒息(ちっそく)などです。また、ネグレクトでは飢餓(きが)や脱水症、医療を受けないこと、事故を予防しないことが死につながります。
 そして、たとえ目に見える後遺症がなくても、自尊感情や人への信頼感がもてなくなり、親となった時にわが子を虐待する可能性が高くなります。

被虐待児症候群<子どもの病気>の診断と治療の方法

 子どもには心身の治療が必要です。まずは、外傷だけでなく、成長障害や発達の遅れ、情緒行動問題についての精密検査を行います。子どもの治療は、入院もしくは施設に入所して行うほうが短期間で改善します。また保育所や学校での長期的な取り組みも有効です。
 発達の遅れや情緒行動問題の治療には、専門家が長期にわたって関わることが不可欠です。虐待が起きなくなるためには、前記の4条件を改善していくことが必要であり、まずは相談者をつくることで親の孤立をなくすことから始め、次いで生活でのストレスの改善を図ります。