てんかん<こころの病気>の症状の現れ方

 てんかんには大きく分けて、発作の開始時に脳の両側からてんかん性の興奮が出現する「全般てんかん」と、発作は傷の周囲の特定の電気回路から始まる「部分てんかん」の2つがあります(図2)。
 ムカムカする、光が見えるといった数秒から数分の前兆や、手や顔面の片側が、意識がなくなる前にけいれんするといった症状がある場合、また、けいれんしたあとで半身の麻痺(まひ)が残るような場合には、部分てんかんと考えられますが、こうした症状がなく急に意識がなくなったからといって、全般てんかんと決めつけることはできません。
 意識が急になくなっていても、しばらく口をムニャムニャさせたあとで意識がないのに動き回るような場合には、局在関連てんかんの可能性が高く、見分けるためには専門医の問診が必要です。
 図3のように部分てんかんはさらに2つに、全般てんかんもさらに2つの種類に分かれます。
 発症年齢が乳児期・幼児期の場合には、比較的難治のてんかん性脳症の場合もありますが、発症年齢が学童期以降の場合には、発作の寛解(かんかい)(和らぐ)率が高く、予後のよい特発性(とくはつせい)全般てんかんの可能性が大きくなります。
 部分てんかんのなかでも、幼児期から学童前期にかけて、とくに夜間睡眠時に発作が起こる特発性部分てんかんは、成人すれば自然に治る極めて予後がよいてんかんなので、安心のためにも診断をきちんとつけておいてもらう必要があります。

てんかん<こころの病気>の診断と治療の方法

 非常に大雑把には、部分てんかんに関してはカルバマゼピン(テグレトール)、全般てんかんにはバルプロ酸(デパケン)が第一選択薬になります。その次にどうするかは、専門医と相談しながら考えていく必要があります。
 カルバマゼピンは、薬疹(やくしん)と関連した重い副作用が出現する可能性があること、バルプロ酸は他の抗てんかん薬よりも催奇性(さいきせい)(胎児に奇形を起こすこと)が高いことなど薬の副作用をよく聞いてから、治療薬を選択する必要があります。
 症状の現れ方の項であげたてんかん類型によって、予後には大きな違いがあります。1996年までの、私が治療した患者さんでの1年寛解率を図4に示します。難しい症例が比較的集まりやすい施設での数値なので、実際にはこれよりは治りやすいと考えてよいと思います。