外傷性脳室内出血とはどんな病気か

 脳の中心部にある、脳室と呼ばれる空洞に出血したものです。
 脳室には脳脊髄液(のうせきずいえき)が満たされており、その脳脊髄液はいくつかの脳室を順に流れていきます。脳室と脳室の間は非常に狭い孔(あな)や通路でつながっているので、脳室内出血によって脳脊髄液の通り道が詰まってしまうと、上流にある脳室が急速に拡大して、周囲の脳を圧迫します(急性水頭症(すいとうしょう))。
 また、徐々に流れが滞り、脳室が大きくなることもあります(正常圧水頭症(せいじょうあつすいとうしょう))。
 脳卒中でも脳室内に出血することがあるため、頭部外傷が原因の場合は外傷性脳室内出血と呼びます。

原因は何か

 通常、脳組織の挫滅(ざめつ)(脳挫傷(のうざしょう))に伴って脳室の壁が損傷を受け、そこからの出血が脳室内にたまって脳室内出血になります。

症状の現れ方

 急性水頭症を来すと、脳室の拡大のために頭蓋骨の内側の圧が高まり(頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん))、激しい頭痛、嘔吐、意識障害などが認められます。
 さらに、脳室の拡大による圧迫が脳ヘルニアの状態にまで進行すると、深部にある生命維持中枢(脳幹(のうかん))が侵され(呼吸障害など)、最終的には死に至ります。

検査と診断

 脳室内の出血が、頭部CTで白く映ります(高吸収域)。正常な場合は、脳室内には脳脊髄液があるため黒く映ります(低吸収域)。
 水頭症では、頭部CTで脳室の拡大がみられます。

治療の方法

 急性水頭症に対しては、局所麻酔をかけて頭蓋骨に小さな孔をあけ、脳室にチューブを挿入し、脳脊髄液とともに脳室内の出血を取り除く脳室ドレナージ術が、緊急に行われます。