鼻出血<外傷>の診断と治療の方法


(1)家庭での鼻出血の緊急処置
 日常生活で鼻出血に出合った時は、緊急処置として、出血側の鼻翼を指で押さえて数分待つことで、大多数のものは止まります。頭を上に向けると出血が後鼻孔(こうびこう)から咽頭に流れ落ち、胃部が不快になったり止血の確認ができなくなるので、必ず頭を下に向けるようにします。そのあとで、硬くした綿で栓をつくって挿入します。それでも止まらない場合や多量出血の場合には、耳鼻咽喉科専門医の止血処置に委ねる必要があります。

(2)出血部位が容易に確認できる場合の止血方法
 通常、5000倍エピネフリンと4%キシロカインを浸したコメガーゼを鼻腔後部にまで挿入し、下を向かせて数分待ちます。この目的は止血とともに鼻腔粘膜の麻酔作用と収縮作用で出血部位を確認しやすくするためです。鼻腔内のガーゼをゆっくり取り除いて、出血部位を確認します。
 鼻腔前半部の場合には、簡単に出血している箇所や出血していた創傷部位を発見できます。その場合、出血部位を電気凝固し、止血薬を含んだオキシセル綿を装着すれば十分です。

(3)出血部位が確認しづらい場合の止血方法
 ガーゼを取り出す時、出血量が多い場合や鼻腔後半部では出血部位の確認が難しい場合があります。出血が多い時には再度コメガーゼを挿入して止血を試みます。ほぼ止血していて、明らかな出血点を確認できなくてもおおよその部位を予想できれば、鼻腔内に止血ガーゼを挿入します。通常、抗菌薬を含んだ軟膏ガーゼで鼻腔全体を密閉、圧迫するように挿入します。
 再度出血する可能性があったり疼痛が強い場合は、止血剤、抗菌薬入りの点滴療法と安静のため入院となります。鼻腔内のガーゼを取り除くのは約1週間後です。
 高血圧などの全身疾患を合併する場合には、患者さんに出血の状態などを詳しく説明し、精神的不安を取り除くことも重要です。また、本人が気づかずに高血圧などの全身疾患を合併している場合も多いので、再度の鼻出血を防止するために基礎疾患への対処も重要です。