顔面骨骨折<外傷>の症状の現れ方

 単独骨折の症状を部位別に示します。

(1)前頭骨(ぜんとうこつ)骨折
 骨折部の陥没、前頭洞(ぜんとうどう)骨折(前頭骨前下端の空洞部分)では鼻出血、眼瞼腫脹(がんけんしゅちょう)、眼瞼部の皮下出血などがみられ、透明の鼻汁が執拗に流れ出るようなら髄液鼻漏(ずいえきびろう)が疑われます。眼窩上壁(がんかじょうへき)骨折では眼球運動障害、複視(物が2つに見える)、前額部の知覚障害(しびれや知覚消失)がみられることがあります。

(2)眼窩吹(がんかふ)き抜(ぬ)け骨折図26
 眼球がへこみ、眼球運動が制限され、複視が生じます。これは多くは上下方向で強く現れます。眼瞼皮下出血、結膜下出血、患側の頬部(きょうぶ)、上口唇、鼻翼(びよく)の知覚障害などもしばしばみられます。

(3)頬骨(きょうこつ)骨折図27
 眼瞼周囲の皮下出血、はれ、頬部の陥没、眼球陥没、眼球の下方偏位(かほうへんい)(眼球の位置が下方にずれる)がみられます。頬骨弓(きょうこつきゅう)骨折(頬骨が耳側のほうに弓状に伸びている部分)では、側頭筋の損傷により開口障害が現れます。眼窩吹き抜け骨折時と同様の頬部、上口唇、鼻翼のしびれが生じることがあります。

(4)上顎骨(じょうがくこつ)骨折
 上顎骨の骨折のしかたには歯槽突起(しそうとっき)を水平方向に骨折するもの、顔面中央をピラミッド型に骨折するもの、頭蓋骨との境を横長に骨折するものなどがあり、それぞれルフォーI、II、III型骨折といいます。歯槽突起を縦に骨折するものもあります(図28)。
 症状は顔面全体のはれ、大量の鼻出血、骨折部片の動揺、顔面が長く扁平化、歯の噛み合わせの異常、髄液鼻漏などさまざまです。

(5)下顎骨(かがくこつ)骨折図29
 疼痛、口腔内や皮下の出血、はれ、開口障害、流涎(りゅうぜん)(よだれ)、言葉の不明瞭化、噛み合わせの異常、関節突起骨折では時に外耳道出血がみられます。

顔面骨骨折<外傷>の診断と治療の方法

 手術で骨折部を整復し、チタンプレートあるいは吸収性プレートで固定します。
 上顎骨折、下顎骨折では、上下顎間をワイヤーなどで固定する顎間固定を行います。
 眼窩吹き抜け骨折や粉砕骨折では、ほかの部分から骨を採取して移植します。