心タンポナーデとはどんな外傷か



 穿通性(せんつうせい)心臓外傷(心刺創(しんしそう)、心銃創(しんじゅうそう)など)や鈍的(どんてき)心臓外傷(心破裂(しんはれつ)、心挫傷(しんざしょう)など)により心嚢(しんのう)内に血液がたまったため、心臓が拡張期に十分拡張できなくなり、全身から心臓への血液還流が障害され、ショック状態から死に至る極めて重篤な病態です(図42)。

症状の現れ方

 胸部を強く打ったり刺されたあと、胸内苦悶(くもん)や胸痛を訴えて発症し、症状が進行すると、頸静脈怒張(けいじょうみゃくどちょう)(頸〔首〕の静脈がふくれる)や奇脈(きみゃく)(呼吸運動に伴い、大きくなったり小さくなったりする脈拍)がみられるようになります。さらに進行すると、意識障害や血圧低下を起こして急激に死に至ります。

検査と診断

 前述の症状のほか、心電図、胸部X線、超音波などの検査により診断されます。

治療の方法

 心嚢穿刺(せんし)(針をさす)または心嚢ドレナージ(管を挿入して排液する)などを行って一時的に状態の改善を図り、引き続いて開胸または胸骨縦切開(きょうこつじゅうせっかい)をして損傷部の修復を行います。

応急処置はどうするか

 心タンポナーデに対して一般の人が行う応急処置はありません。迅速に救急車を呼び、しかるべき医療機関へ搬送することが最も重要です。