女性性器損傷<外傷>の症状の現れ方

 女性性器損傷の主な原因には、外陰部打撲(がいいんぶだぼく)と性交の2つがあげられます。
 外陰部打撲は自転車転倒事故、鉄棒、スノーボードなどで外陰部を強打したために発生することが多く、大部分は外陰の血管が断裂して局所に出血し、外陰血腫(がいいんけっしゅ)となり、腟の深部に裂傷をみることは少ないようです。患者は外陰部の疼痛と血腫による違和感や、外陰の出血を訴えて来院することが多い傾向にあります。
 一方、性交による性器損傷は暴力的性交、強姦、性交初体験、器物使用による性交および自慰行為などにより発生し、腟入口部から腟円蓋(ちつえんがい)の深部まで幅広い腟の裂傷の形をとります。多くは、性交後の出血と疼痛を訴えて来院します。

女性性器損傷<外傷>の診断と治療の方法

 外陰血腫では、外陰部の消毒後、局所麻酔を注射し、次いで皮膚を切開し血の塊を除去します。出血部位が確認できればしばって止血し、ドレーンを挿入して縫合します。処置後は抗菌薬を数日間投与し、ドレーンは出血がなければ数日で抜き取ります。
 腟壁裂傷では、裂傷部位の消毒、局所麻酔を行い、吸収糸(抜糸しなくても自然に吸収される糸)で縫い合わせます。この際、視野を十分に取り、縫合は裂傷部位の端より奥のほうから行います。外陰血腫の場合と同様、抗菌薬の投与を数日間行います。
 性的犯罪の場合、婦人科的な処置だけにとどまらず、精神的トラウマに留意し、精神科やケースワーカーと連携をとりながらフォローアップをしていきます。