踵骨骨折とはどんな外傷か

 踵骨とは踵(かかと)の骨で、直接地面に接して体重を支える重要な骨です。踵骨骨折は高いところから落ちたり、飛び降りたりして起こります。
 踵骨は硬い皮質骨の薄い殻のなかに、海綿骨(かいめんこつ)といってスポンジのような軟らかい骨が詰まっているモナカのような構造をしています。ですから、落ちた瞬間に、モナカを踏み潰したようにぐしゃっと折れ、踵骨上面の関節面が落ち込み、高さが減って幅が広がります。その結果、踵骨の上に載っている距骨(きょこつ)との関節がずれ、踵が幅広く高さが低くなります。
 踵骨の大部分は海綿骨で血行がよいので骨が付きやすいのですが、その分、骨吸収も起こりやすく、骨萎縮(いしゅく)を残すと痛みが続きやすい骨折です。

原因は何か

 多くは高いところから飛び降りて踵を地面に打ちつけて起こり、踵が痛くて着けられなくなるので、診断は難しくありません。しかし、踵骨は複雑な形で、関節面が占める割合が大きく、狭い場所で体重を支えているので、でこぼこ道でも痛みがなく歩けるようになるまでに治すのは難しいことです。

治療の方法

 踵骨骨折は、関節面がずれているかどうかで治療が大きく違ってきます。関節面が折れていない場合は、そのままギプスで固定すれば治ります。
 関節面が折れてずれている場合は、骨折の形と骨折線の数、ずれの程度によって、徒手整復といって外側から手で整復できるものから、釘を外側から刺して整復するもの、手術で開けて金属の板とネジで固定しなければならないものとに分かれます。普通のX線写真で診断できる場合もありますが、断層撮影やCTが必要になることも少なくありません。
 いずれにしても、時間がたつと踵がはれ上がって治療が難しくなるので、至急に整形外科を受診しなければなりません。遅くなると整復が難しくなり、皮膚に水疱(すいほう)ができて、手術も困難になります。
 整復さえうまくいけば、骨は付きやすいのでギプス固定は比較的短期間ですみます。逆に、あまり長くギプス固定しすぎると骨萎縮のための痛みが長引きます。
 程度にもよりますが、痛みが完全にとれるのを待っていると社会復帰が遅れ、骨萎縮の痛みが続くので、ある程度の痛みはがまんして日常生活にもどる方が治りがよいようです。