バルサルバ洞動脈瘤破裂とはどんな病気か

 心室中隔欠損症(しんしつちゅうかくけっそんしょう)をもつ日本人のなかで、大動脈弁に比較的近い心室中隔(左心室と右心室を隔てる壁)の場所に孔(あな)があいている人が30%近くいます。
 この人たちは、ほかの部位にあいている孔をもつ人たちに比べて、大動脈弁の変形を起こす頻度が高いことがわかっています。心室中隔欠損を通る血流が大動脈弁を引っ張ることと、もともと大動脈弁を支える組織が弱いことが原因です。
 大動脈弁の変形は、中隔欠損から右心室方向へ弁が豆粒大に引っ張られることもあれば、中隔欠損をほとんどふさぐほど大きいこともあります。長年(通常10年以上)大動脈弁が引っ張られていると、次第に細長い袋状に伸びてきます。これをバルサルバ洞動脈瘤といいます。

症状の現れ方

 バルサルバ洞動脈瘤だけでは、なんら症状はありません。通常は18歳以上の人で、ある日突然、重い物を持った時や、いきんだ時に、前胸部に激痛が走り、病院で「昔、小さい時に心雑音や心室中隔欠損があるといわれたことはないですか」と聞かれ、「そういえばそうです。もう何年も診てもらっていません」という答えがあれば、典型的なバルサルバ洞動脈瘤破裂です。

検査・治療の方法

 治療は、手術で動脈瘤の切除を行います。もちろん治療の前には、心筋梗塞(しんきんこうそく)、狭心症(きょうしんしょう)、大動脈疾患など、ほかの病気を除外する必要があります。聴診器で雑音を聞いたり、心エコー(超音波)で検査すれば本疾患の診断がつきます。
 心室中隔欠損症の患者さんは、医師がフォローアップのための通院を不要と診断するまでは、生涯の通院が必要です。