じん肺(珪肺症、石綿肺)<呼吸器の病気>の症状の現れ方

 珪肺の病変は軽快することはなく、緩徐に進行していくといわれています。症状は、珪酸によりできた肺内の線維化巣、結節病変などにより呼吸機能の低下が起こり、呼吸困難などの症状が出現するようになります。初期は無症状ですが、進行とともに咳、痰、また労作時呼吸困難、倦怠感(けんたいかん)、体重減少、さらに安静時にも呼吸困難が出現するようになります。
 合併症として注意しなければならないものに、結核(けっかく)、気管支拡張症(きかんしかくちょうしょう)、気胸(ききょう)、肺(はい)がんなどがあります。また、まれな合併症ですが、カプラン症候群と呼ばれる、関節リウマチに合併し、両側の肺に円形の塊状陰影を示す病態があります。
 初期は無症状で、ゆっくりと進行し、労作時呼吸困難(歩行などの労作における呼吸困難)、咳などが生じます。さらに進行すると、安静時呼吸困難が出現するようになります。

じん肺(珪肺症、石綿肺)<呼吸器の病気>の診断と治療の方法

 根本的な治療法はなく、喀痰(かくたん)が多い場合には去痰薬の投与、さらに合併症に対する治療が行われます。また、低酸素状態に対しては酸素療法が行われます。
 重要なことは、予防であり、職場で珪酸を吸入しないようにすることです。そのためには、粉じんの発生を避けるようにすること、作業所にフィルターをつけることによる粉じんの除去やマスクを着けるなどにより、肺内に珪酸が入らないようにします。
 根本的な治療はなく、呼吸不全に対する酸素療法、去痰薬の投与などに加えて、喫煙は肺がんの発生を高頻度とするため、禁煙が重要です。また、合併症として発症する肺がんの外科的治療が重要であり、早期に発見する必要があります。
 悪性胸膜中皮は早期に発見することが困難で、外科的治療の適応例が少ないのが現状です。進行した肺がん、また胸膜中皮腫は抗がん化学療法の適応となりますが、予後は決してよくはありません。
 なお、石綿に関連した健康被害の補償制度があり、本症が疑われる場合、また診断を受けた場合などには考慮すべきです。