慢性硬膜下血腫とはどんな病気か

 脳の周囲をおおう硬膜とくも膜の間に血液がたまる病気です。多くの場合は脳の片側にだけたまりますが、両側に起こることもあります。

原因は何か

 男性に多く、中年以上のアルコール多飲者に多くみられます。ささいな頭部外傷の1〜2カ月後に起こります。また外傷がない場合には、肝障害や抗凝固薬の使用による凝固能の低下がある人に起こりやすいといわれています。

症状の現れ方

 頭痛、意識障害などの頭蓋内圧亢進(ずがいないあつこうしん)症状と、片麻痺(かたまひ)や失語症(しつごしょう)などの脳の局所症状が組み合わさって現れます。軽微な頭部外傷から1〜2カ月たったころ、頭痛、片麻痺、認知症、意識障害などが徐々に起こってきます。本人が頭部外傷を覚えていない場合でも、週、月の単位でこのような症状が進行してきたら、本症が疑われます。

検査と診断



 頭部CTで頭蓋骨の内側に沿って三日月状あるいは凸レンズ形の異常な信号領域があれば、本症と診断できます。高吸収域(白く描出される)であれば、比較的新鮮な出血を示します。両側に血腫がある場合には診断しづらい場合もあります。頭部MRI(図15)では血腫の部分は白くはっきりと描き出され、診断が容易です。

治療の方法

 神経症状が出ている場合、あるいは出ていなくても血腫が大きい場合、脳への圧迫が強い場合などには、原則として手術を行います。穿頭(せんとう)血腫除去術といって、頭蓋骨に孔をあけ、血腫を除去し、さらに血腫のスペースをよく洗浄する方法です。症状が改善しない場合や再発を繰り返す場合には、開頭血腫除去術や硬膜下‐腹腔シャント術を行うこともあります。
 神経症状がなく、血腫が小さく、脳への圧迫がない場合は、手術をせずに内科で抗脳浮腫薬(こうのうふしゅやく)を点滴注射して経過をみていく場合もあります。

慢性硬膜下血腫に気づいたらどうする

 ただちに脳神経外科の専門医の診察を受けてください。